ママ友の代わりに、入園願書の列に徹夜で並ぶ妊婦さん… その結末とは?!【スカッとする話】

「ママカースト」は、ドラマの中だけの話と思っていませんか。これは幼稚園激戦区で目撃した、ママ達のパワーバランスの話。カーストの頂点に君臨するボスママのお願いを断り切れず、妊婦のAさんは、他人の子の為に、幼稚園入園願書の行列に徹夜で並びました。その結末とは・・・。

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幼稚園に入園するのも大変!

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 数年前流行語大賞の候補に「保育園落ちた日本死ね」が入ったことがありましたが、保育園に負けず劣らず、幼稚園も激戦なのをご存知ですか。

 少子化とダブルインカムが、スタンダードになった昨今、幼稚園は園児を確保する為に、サービスを向上させて、他園に差をつけようと躍起になっています。

 そのため、人気の幼稚園は、2歳児向けの「プレ」に通わないと入園できなかったり、入園願書の争奪戦がおきたりと、壮絶なのです。

 わが家の近所にある幼稚園は、まさに入園希望者が殺到する超人気園。入園願書の受付は、先着順で入園が決まることから、受付前日は、徹夜で親御さん達が行列をつくるのが、風物詩になっています。

雨の日、ママ友の代わりに行列に並んでいたのは…

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 数年前の入園願書受付日は、シンシンと冷たい雨が降る日でした。夕方の買い物を終えて、帰宅する途中に、その幼稚園の前を通りかかると、ご近所のAさんが入園願書の行列に並んでいます。 「あれ? Aさんの子は、この幼稚園の年長さんのはず。しかもこの前、妊娠中って話していたのに、こんなに寒い日に何で外にいるんだろう」

 不思議に思って声をかけると・・・ なんと、わが子の為じゃなく、他人の子の為に、確実に入園できる先頭で並んでいたのです! 

 Aさんに依頼したのは、幼稚園のママ仲間のBさん。クラスの中心人物で、ママカースト頂点に君臨するボスママ的存在の華やかな人でした。Bさんは最初、
 「うちの子が、Aさんのお子さんとお泊まりしたいって言ってるの。ぜひ手ぶらで来てちょうだい」というお誘いをしてきました。

 ところが
 「もうすぐ入園願書の受付日よね。うちの下の子も、同じ幼稚園に入れたいのに、兄弟枠がなくて、あの行列に並ばなくちゃいけないんだって。途中でバトンタッチするから、行列に並ぶのを手伝ってくれないかな。Aさんの子はお泊まりで面倒みてあげるから」と話が変わっていったそう。

 人の良いAさんは断り切れなくて、引き受けてしまいました。
 「妊婦って言っても、いつもは息子を追い回しているしね。安定期だから心配いらないよ」と言っていましたが、雨の中で傘を差しながら、ずっと立っているなんて、妊娠中の体にいいはずがありません。 

 あまりに心配で、その場で温かい飲み物を買って手渡し
 「Bさんが来たら、Bさんと旦那さんで交互に並ぶように、きちんと話した方がいいよ」と言い含めました。

まさかの結末にスカッと!

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 しかし結局、Aさんは17時~22時、深夜3時~翌朝7時まで、9時間以上並んだそうです。 朝7時すぎ、Bさんがやってきて
 「ありがとう! 代わるね!」と行列に滑り込もうとしたところ、周囲の人達からブーイングが起きたのです!

 実は、長時間一緒に並んでいるうちに、親御さんの間に、徐々に仲間意識が芽生えていました。交代交代でトイレに行ったり、食事を買いに行ったりと、協力する内に、Aさんが、他人の子の為に並んでいる事情を知ったのです。
  「親族じゃない人を長時間並ばせるなんて酷いし、ずるいじゃないか!」と不満を露わにする人達に責められて、流石のBさんもアワアワ・・・。 

 結局、幼稚園側が
 「親族以外が代理で並ぶのはNG」と言い渡し、Bさんの子の入園願書は受理されず、入園できなかったそうです。 

 「あなたのせいで、兄弟で別々の幼稚園になった! もう話しかけないで!」そう激怒するBさんから縁切りされて、Aさんはホッと一安心。今は、ママカーストとは一線を引いて、幼稚園ママ達とお付き合いをしているそうです。 

(ファンファン福岡一般ライター)

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