懐かしい遊びで子どもと盛り上がろう!道具なしの遊び、外遊びも

6歳・8歳の息子を持つママライター、永野栄里子です。

テレビやゲームが普及していない時代の子どもたちは、工夫を凝らした遊びを楽しんでいました。30代や40代、さらに上の世代の人も「懐かしい」と感じる遊びには、どのようなものがあるのでしょうか。

今回は、さまざまな懐かしい遊びを紹介します。懐かしい遊びを通して得られるメリットにも触れていますので、春休みに親子で実践し、楽しい時間を過ごすヒントになれば幸いです。

目次

懐かしい遊びがもたらすメリット

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懐かしい遊びのなかには、体や頭を使うもの、他者とのコミュニケーションが必要とされるものが多くあります。懐かしい遊びを通して得られるメリットは、大きく3つです。

身体能力アップ

走ったり体を大きく動かしたりする遊びは、身体能力アップに貢献します。体力がつく、足が速くなる遊びも豊富ですし、竹馬やフラフープ、ケンケンパなどに積極的に取り組めば、バランス感覚も養えます。

余談ですが、わが家の長男は幼稚園くらいまであまり足が速いほうではありませんでした。しかし、小学校のお昼休みにほぼ毎日鬼ごっこをしていたところ、2年生のマラソン大会では最高記録5位という結果に…。これには筆者も驚きましたが、遊びでも「走る」ことを続けた結果かなと思ったので、懐かしい遊びも継続して行うと身体能力の向上が期待できるのではないでしょうか。

コミュニケーション能力アップ

1人でできる遊びもありますが、2人以上や大勢で行う遊びが多いのも、懐かしい遊びの特徴です。ルールを教え合う、遊びのなかで会話をするといった経験を通し、コミュニケーション能力がアップする可能性もあります。

伝統的な遊びは祖父母や保護者など、幅広い年齢層の人が親しんできたものなので、高齢の方と子どもがふれあうきっかけ作りにも貢献するでしょう。

勝ち負けがあるような遊びや大人数での遊びでは、トラブルが起こることも少なくありませんが、話し合ったり譲り合ったりしながら遊べば、協調性を身につけられます。

脳の発達にもよい影響が!

からだ全体を思いっきり使ったり、指先だけを繊細に動かしたりと、懐かしい遊びで求められる動きはさまざまです。遊びを通して視覚や聴覚、触覚が刺激され、脳の発達も促進します。

また、懐かしい遊びは基本のルールを発展させたり、新たな遊び方を編み出したりすることも可能です。遊びながら考える力やアイデアを生み出す力が養われ、さらに一緒に遊ぶ人とルールについて話すなかで、前述のようなコミュニケーション能力や協調性にもよい影響を与えます。

昔の遊びは実はすごい!現代にはない遊びの種類と特徴を紹介します(https://a-futaba.ed.jp/?p=1270

【懐かしい遊び】道具ほぼなしでできる室内遊び

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ここからは、さまざまな懐かしい遊びをジャンル別に紹介します。時代を遡ると、懐かしい遊びは膨大にあるので、「ミックスじゅーちゅ」や「おやこのくふう」「THE GATE」などの記事を参考に、筆者が「懐かしい!」と思うものをピックアップしました。

どのような遊びがあったのかを見て、一緒に懐かしい気持ちになっていただければ幸いです。まずは、道具をほとんど使わずにできる室内遊びを見てみましょう。

ハンカチ落とし

ハンカチ落としは、個人的に「雨の日に幼稚園や小学校でやった」という思い出深い遊びです。ハンカチ1枚と数人のメンバーがいればすぐに始められます。

ルールは鬼を1人決め、その他の参加者で作った円の周りをぐるぐる周り、ハンカチを落とすだけ。ハンカチを落とされた子どもは気づいたら鬼を追いかけ、1周する前に鬼にタッチできれば勝ち、できなければ鬼を交代します。

鬼が追いつかれてしまう、ハンカチを落とされた子が気がつかずに鬼が1周してタッチされると円の真ん中に入るなど、細かなルールもありますが、シンプルで盛り上がるので、ぜひいまの子どもたちにも楽しんでもらいたい遊びの1つです。

紙相撲

紙相撲は、厚紙と空き箱でできる懐かしい遊びです。紙で作った人形(力士)を空き箱の上に立たせ、指先で箱を叩きながら相撲を取ります。

ルールや勝ち負けがはっきりとしているので、白熱した遊びを楽しめることはもちろん、紙で作る力士を好きなキャラクターにしたり、大きさや形を工夫したりと、考えながら遊べるのも魅力です。

はないちもんめ

はないちもんめは、童謡に合わせて遊ぶ懐かしい遊びの1つです。2組にわかれて一列になり、向かい合って歌に合わせて前後します。「相談しましょ」「そうしましょ」のあとにはそれぞれのチームで、相手チームから誰をもらうか相談し、選ばれた人同士がじゃんけんをし、負けた人は勝ったほうのチームに移動します。

人数が多かったチームが勝ち、どちらかのチームが1人もいなくなったら終了などルールはさまざまですが、仲間と相談したり、自分が選ばれるかドキドキしたりと、遊びを通した高揚感が得られるでしょう。

ずいずいずっころばし

ずいずいずっころばしも、歌に合わせた遊びです。親指と人差し指で丸を作り、1人が歌に合わせて人差し指で穴を突いていき、歌が終わったときに指で突かれている人が、次のターンでは指で突く役(鬼)になります。

あまり馴染みのない言葉が多い歌詞、使うのは指だけでその場でできることなどが特長の遊びで、車のなかや待ち時間などにも気軽にできるのがメリットです。

子どもの昔遊び・伝承遊び 一覧(https://45mix.net/tag/mukasi-asobi-matome/
子どもに人気の昔あそび一覧|室内遊びにも外遊びにもおすすめな昔ながらの遊びを紹介(https://oyako-kufu.com/articles/2172
ちょっと意外な歴史も!懐かしい日本の【昔遊び】で童心に帰る(https://thegate12.com/jp/article/420

【懐かしい遊び】昔ながらのアイテムで楽しむ室内遊び

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続いては、昔ながらのアイテムを使って室内で行う懐かしい遊びです。なかには、いまでも子どもたちに人気の遊びもあります。

コマ回し

円錐の形をした「胴」に紐を巻き付けて、勢いよく回転させて遊ぶコマ回しは、日本最古の遊びともいわれています。紐の巻き方や手首の使い方がコマの回転を左右するため、うまく回すには練習が必要です。

1人でコマ回しを楽しむだけでなく、コマ同士をぶつけた対戦も人気で、このルールは現代版ベーゴマ「ベイブレード」に受け継がれています。

ヨーヨー

丸い木やプラスチック、金属などを2つ合わせて作った軸に長い紐を巻きつけ、軸を上下させて遊ぶヨーヨーは、中国が起源だと考えられている遊びです。日本では江戸時代中期ごろに長崎に伝来しました。

ヨーヨーをできるだけ長い時間軸を上下させるためには、コツや練習が必要です。1990年代には競技用に改良したハイパーヨーヨーが大流行しました。筆者もよく回るヨーヨーで、さまざまな技の練習をした記憶があります。

おはじき

おはじきは、ガラスでできた薄くて丸い形のおもちゃです。カラフルに色づけされているのが一般的で、遊び道具としてはもちろん、その美しい見た目に心を惹かれる子どもも少なくありませんでした。

おはじき遊びは、並べたおはじきを順番に指で弾き、当てたおはじきの数を競うというもの。優しく弾くので、小さな子どもも安全に遊べます。

お手玉

小豆などを布でくるんだお手玉は、2つ、3つと持って歌に合わせて宙に投げたり、友だちとパスしたりして遊びます。かわいらしい布を使ったり、複数の布を組み合わせたりすれば、自分だけのお手玉が作れます。

なかに入っている小豆やビーズが投げるたびに出す音、お手玉の感触などを耳や手で感じれば、五感を刺激した懐かしい遊びを実感できるでしょう。

福笑い

目隠しをして、ベースの輪郭に顔のパーツを乗せていく福笑いは、お正月の遊びとしても有名です。目隠しをするので、パーツの位置が不思議な場所になってしまうと、面白い表情の顔、鼻が目より上にある顔など、さまざまな顔ができあがります。

目隠ししている人はもちろん、周りも一緒に笑って盛り上がれる懐かしい遊びです。自分で福笑いに使う輪郭やパーツを作っても楽しいでしょう。

けん玉

十字状の「けん」と、穴のあいた「玉」が糸でつながれた「けん玉」は、玉をけんの皿に乗せたり、けん先刺したりして遊びます。難易度が高いと感じる人もいますが、練習を重ねれば自在に操れるようになり、懐かしい遊びを堪能できるのではないでしょうか。

けん玉といえば、紅白歌合戦で毎年ギネスに挑戦しているのも印象的です。しかし、振り回したり周囲の人に当たったりすると危険なので、遊ぶ年齢や場所には注意しましょう。

かるた

読み札に合った絵札を取って数を競うかるたは、16世紀半ばにポルトガルから伝来した遊びです。代表的なかるたといえば百人一首ですが、子どもが親しみやすいキャラクターを用いたかるたや、食べ物や国旗、都道府県など知育向けのかるたなど、豊富な種類があります。

かるたもお正月の遊びとしての印象が強く、息子たちは保育園や幼稚園のクリスマス会でよくかるたをいただいて来ました。冬休みが終わると園でかるた遊びをするのですが、「1枚1枚記名をお願いします」という指示には、毎年泣かされたものです。

【懐かしい遊び】体を動かす外遊び

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懐かしい遊びは屋内のものだけでなく、外で楽しめるものも多くあります。体を思いっきり動かせる昔ながらの外遊びには、どのようなものがあるのでしょうか。

まるさんかくしかく

地面に○・△・□を書いて、鬼が指定した形のなかに移動する、まるさんかくしかく。鬼ごっこの応用編のような遊びで、形のなかにいる人は捕まえられないので、鬼同士で戦略を練って形を指定するのも重要です。

指定した形に向かうときのみ走ればよいので、通常の鬼ごっこよりも疲れにくく、遠くまで逃げる必要もありません。体力があまりない小さな子どもも楽しめますし、限られたスペースでの遊びにも最適です。

だるまさんがころんだ

だるまさんがころんだは、「だーるまさんがーこーろんだ!」という鬼のかけ声に合わせて、遠くにいる鬼の元へ向かう遊びです。鬼が振り向いたときに動いていると、鬼に捕まります。

「だーるーまーさーんがーーーーーーーころんだ!」など、かけ声のリズムに緩急をつける、振り向いている時間を長くするなどして、いかに多くの人を捕まえるか工夫を凝らした経験がある人も多いのではないでしょうか。

ケイドロ

警察と泥棒にわかれ、警察が泥棒を捕まえて牢屋に入れる「ケイドロ」も、鬼ごっこの派生版だといえます。「ドロケイ」「どろじゅん」など、地域によってさまざまな呼称があるのも特徴です。

捕まって牢屋に入った泥棒は、仲間に助けてもらうと再び逃げ出せます。筆者が小学生の頃は、「毎週1回クラスで昼休みに遊ぼう!」という時間に、ドッジボールに並んで人気の遊びでした。

缶蹴り

缶蹴りは個人的にはあまり馴染みがありませんが、テレビや本などでよく見たことがあるので、昭和時代に流行った遊びなのでしょうか。円のなかに空き缶を置き、鬼以外の人は隠れます。鬼は隠れた人を見つけたら「○○見つけた!」といいながら缶を踏み、見つかった人は缶が置いてある円のなかに入らなければいけません。

全員見つかれば鬼の勝ち、鬼が隠れている人を探すあいだに空き缶を蹴られてしまえば鬼が負けとなります。

ルールを調べているあいだに「ポコペンと似ているな」と感じましたが、やはりポコペンは缶蹴りに似た遊びのようです。ポコペンでは大きな目印を使うので、空き缶を用意する必要がありません。道具がいらないので、いまの子どもたちも遊びやすいのではないでしょうか。

【懐かしい遊び】外でも室内でもできるその他の遊び

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最後に、外でも室内でもできる遊びを紹介します。道具が必要なものもありますが、道具なしで楽しめる懐かしい遊びもあるので、家のなかや公園などさまざまな場所でやってみましょう。

あんたがたどこさ

あんたがたどこさは、「あんたがたどこさ、ひごさ」という歌に合わせて手まりをつく遊びです。リズムに合わせて手まりをつき、歌詞の「さ」の部分で手と球のあいだに足を通します。

最後の「かくせ」のところで球を高く上げてスカートで包むなど、ただ手まりをつくだけでなくテクニックも必要とされます。ボール1つでできますし、激しく投げることがないので屋内でも遊べるのが特徴です。

グリコ

グリコは、階段を使った遊びです。じゃんけんをして勝ったら、出した手に応じたぶんだけ進みます。グーなら「グリコ」で3歩、チョキなら「チヨコレイト(チョコレート)」で6歩、パーなら「パイナツプル(パイナップル)」で6歩です。グーよりもチョキやパーで勝ったほうが多く進めます。

階段のいちばん上や下など、定めたゴールに1番に到着した人が勝ちというシンプルなルールですが、「ピッタリでつかないと戻らなければいけない」「全員がゴールしたら終わり」など、オリジナルのルールを決めて楽しむケースも少なくありません。

おしくらまんじゅう

おしくらまんじゅうは、寒い日におすすめの懐かしい遊びです。円になって外を向き、隣の人と腕を組みます。「おしくらまんじゅう おされてなくな」のかけ声に合わせて、皆で円の真ん中に向かって背中やお尻で押し合いましょう。円から押し出されたり、お尻をついたりしたら負けです。

複数人でくっついて押し合えば、体も心も温まります。ただし、背中合わせで押すので力いっぱい押すと怪我をする可能性があるので注意しましょう。

かごめかごめ

かごめかごめは、童謡に合わせて円になってくるくる回る遊びです。鬼は円のなかでしゃがんで目をつむります。「後ろの正面だあれ」と歌い終わったときに、自分の後ろにいる人を当て、当たったら鬼を交代します。

鬼は視覚を塞がれた状態で、誰が後ろにいるか当てなければいけません。誰の歌声か、どの方向から聞こえるか、聴力を働かせて後ろの人を推理するので、聴く力がアップする効果が期待できます。

竹とんぼ

細い軸に回転する翼のついた竹とんぼも、懐かしい遊びの1つです。手のひらを合わせて軸を挟み、回転をつけて高く飛ばします。

本格的な竹とんぼは室内で飛ばすとやや危険ですが、最近は、牛乳パックとストローで「紙とんぼ」を作ったり、それを室内で飛ばしたりすることもあります。息子の園でも作る機会があり、子どもたちは自分で作った紙とんぼを楽しそうに飛ばしていました。

昭和から平成まで!懐かしい遊びをやってみよう

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屋内や屋外、道具の有無など、さまざまな観点から懐かしい遊びを紹介しました。昭和時代に子どもたちのあいだで流行った遊び、平成になってから親しまれるようになった遊びなどさまざまですが、いまも変わらず子どもたちが楽しんでいる遊びもあります。

祖父母と子ども、親子などで懐かしい遊びを体験すれば、昔の懐かしい話をしたり聞いたりすることもできるかもしれません。コミュニケーションの促進にも貢献する懐かしい遊びで、笑顔の休日を過ごしましょう。

※この記事内容は公開日時点での情報です。

著者情報

大学・大学院にて日本語学を専攻し、修了後は日本語学校に非常勤講師として勤務。2018年よりウェブライターに転身し、さまざまなメディアで記事を手がける。2人の子を持つ「ママライター」として、日々育児に仕事に奮闘中。

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