おしゃべりが上手になり、車の種類もたくさんわかってきた3歳の次男。お散歩中も、目に見えるものを次々に教えてくれます。そんな次男がパパとお散歩に行ったときのこと。「ピーマンの車」という謎の発言が飛び出して…。
独特の感性がたまらないお年頃
最近3歳になったわが家の次男。おしゃべりがだいぶ上手になり、いろんなことが分かるようになってきました。とはいえ、まだまだ大人の常識の枠に収まらない感性で、私たちを惑わせてくれます。
先日は、手の上にボディクリームを出して
「ペッペ! ペッペ!」と言っていることがありました。「ペッペ」というのは、ピッピ。つまり鳥のことです。
「どこに鳥さんがいるの?」と聞いても、ひたすら手の上のクリームを見せてくるだけ。私が首を傾げながらよーく見ると、クリームの広がった形が、鳥の形に見えなくもありません。
「これが鳥さんに見えるってこと?」と聞くと、
「うん、ペッペだよ!」と答えるニコニコ顔がかわいくてたまりませんでした。
パパとお散歩で見た「ピーマンの車」
そんな次男が、パパとお散歩に行った時の話です。お散歩から帰ってきた夫が
「ねぇ、ピーマンの車ってなに?」と私に聞いてきました。
聞けば、次男がある車を指さして
「ピーマンのくゆま(車)! ピーマンのくゆまだよー!」としきりに言っていたとのこと。私は、
「スーパーの配達の車とか? ピーマンの絵が描いてあったとかじゃないの?」と聞きましたが、指を差していたあたりにはそんな車はなかったとのこと。
「俺も、近くにピーマンの絵の看板があるのかとか、中にピーマンが置いてある車があるのかとか思ったけど、そんなことなくて。」
「じゃあ緑色の車があったとか?」
「いや、それも無かったんだよ。」
私は、お散歩の道中にありそうなピーマンらしきものを思いつく限り挙げましたが、いずれも当てはまらないといいます。夫も私もモヤモヤしつつも、「わかんないね」と言って話は終わりました。
判明! ピーマンの車の正体
「ピーマンの車」の話を忘れかけていた数日後。会社から帰ってきた夫が、笑いながら
「分かったよ」とスマホの画面を見せてきました。
「ピーマンの車、これだ」
そこに映っていたのは、何の変哲もないセダン車。しかし私は見た瞬間に
「ほんとだ! ピーマンついてるね!」と大笑いしてしまいました。車の正面についている王冠のマークが、ピーマンにそっくりだったのです。
「たしかにこの車、散歩中に通った駐車場にあったんだよ」と夫。
少し車の知識がある方ならお分かりになると思いますが、長年愛されてきた王冠マークの車のことです。貫禄がある出で立ちで、決して可愛らしいタイプの車ではありませんが、次男にかかれば「ピーマンのくゆま」と、メルヘンな乗り物に大変身です。
それ以来、わが家では王冠マークの車は「ピーマンの車」と呼ぶようになりました。
そのままでいてほしい かわいい勘違い
大人になるにつれて多くの知識が身に付くと、常識外のことは「間違い」と捉えるようになってしまうもの。でも、子どもにはそんな常識は関係ないのですね。今ある知識の中で、自分なりの表現をするからとてもユニーク。子どもの、自由で柔らかな発想や、無垢な感性に触れると、愛おしくてたまらなくなります。
できれば直したくないと思ってしまう、子どもの勘違いや言い間違い。
小学校に上がる長男は、未だに「風船」のことを「ぷうせん」と言い、「ひよこ」のことは「ぴよこ」と言います。そろそろ直してあげたほうがいいのかなぁ、と思いつつも、そのままにしています。
「ピーマンの車」の謎が明らかになったときも大笑いしながら、あまりのかわいさに
「ほんとだね! ピーマンのくるまだね!」と思わず次男をぎゅーっと抱きしめました。日々の成長を喜ぶ一方で、まだまだこのままでいてほしいなぁと願ってしまう、欲張りな私です。
(ファンファン福岡公式ライター/れな)