触ってほしくないものに子どもの手が届いてしまって、ヒヤッとした経験はありませんか? 私は息子がまだ窓の鍵に手が届かないだろうと油断し、2階のベランダに締め出されたことがあります。当時私は妊婦で… ドタバタの救出劇でした!
まさか息子の手が鍵に届くなんて…
ある暑い夏の日。アパートの2階に住んでいた私は妊娠8カ月で、1歳の息子と浴室で水遊びをしました。その日は熱中症警戒アラートが発令されており、お昼ごろ私は使った水着やタオルをベランダに干していました。
いたずら好きな息子は、よくベランダに出てきては干してある洗濯物をとってしまうことがあったので、私は息子がベランダに入ってこないように窓を閉めていました。これが大きな間違いだったのです。
洗濯物を干し終えて、部屋の中に戻ろうとすると… あれ、窓が開かない。恐る恐るカギを見てみると… 鍵がしまっている! そして、ニコニコ笑顔の息子が私を見ています。
まさか息子の手が鍵に届くなんて… 大きくなったなぁ。と一瞬頭によぎりましたが、そんな悠長なことを思っている場合ではありません。
外の気温は38度。部屋で冷房を使っているので室外機からの熱風が妊婦の私を襲います。主人は仕事で不在。私は携帯を持っていません。… さあどうしましょう。
灼熱のベランダ… だれか助けて!
とりあえず、誰かに助けてもらおうとベランダから下の道路を見渡します。しかし、この暑い日に外を歩く人は誰もいません。
通行人を待って唯一見かけたのが、自転車に乗る高校生の男の子でした。しかし、変な人だと思われたくなくて声をかけるのをためらってしまいました。
「息子は鍵に手が届いたのだから、もしかしたら開けられるかもしれない」と思った私は、ジェスチャーで鍵を開ける様子を伝えて、マネしてごらんと促します。
なんとか通じて、息子が手を伸ばしてみるものの、閉まった際にレバーが上がってしまっていて今度は届きません。「椅子をもってきて」と伝えても、キョトンとしていました。しばらくすると、おもちゃで遊び始めました。
そうこうしているうちに20分ほど時間が経ちました。私もだんだんと暑さで疲弊していきます。気持ちも焦ってきました。
すると、100mほど離れた薬局へお昼休憩から戻る女性のスタッフさんの姿が目に飛び込んできました。私は両手をぶんぶんと振りながら、大声で
「すみませーん!! たすけてくださーい!!」と助けを呼びました。
すると、スタッフさんは私に気が付いて、駆け寄ってきてくれました。
パニック状態の私の救出劇
ベランダからスタッフさんに事情を説明し、玄関の暗唱キーを開けて助けてもらうことになりました。スタッフさんは薬局へ一度戻り、男性のスタッフさんも一緒に駆けつけてくれました。女性のスタッフさんに玄関ドアの暗唱キーを伝えますが、何度試しても「開かない」そうです。
この時私はパニック状態で、普段何気なく使っている暗唱キーの番号や記号を思い出せず、間違ったものを伝えてしまっていました。
男性のスタッフさんに主人の携帯の番号を聞かれ、うろ覚えの番号を伝えましたが、電話はつながりません。(この時伝えた番号も間違っていたようです。)
5回ほど「暗唱キーを伝えて試してもらう」を繰り返すうちに、やっと玄関が開き、女性スタッフさんに部屋に入ってきて私が救出されました。
それまでニコニコして遊んでいた息子も、知らない人が部屋に入ってきたことで、ただごとでないという状況が掴めたのか泣き出してしまいました。
私はすぐに息子を抱きしめて、2人のスタッフさんにお礼を言いました。
「ママさん妊婦さんだったのですね。助けられて良かったです」と言ってもらい、涙が出ました。
さまざまなハプニングが起きる子育て。今回は私の不注意で、息子に不安な思いをさせ、他の方に大迷惑をかけてしまうことになりました。
「子どもの手が届かないだろう」という油断は、禁物ですね。大きな事故が起きてしまうことがないように、危険を予測することの大切さを学びました。
(ファンファン福岡公式ライター/ミムラ)