妊婦健診で受けた子宮がん検診。結果は、「子宮頸部高度異形成」でした。妊娠して喜んでいたのも束の間… 子宮がん一歩手前だと言われた私。子宮頸部高度異形成? なにそれ? 私の体、一体どうなるの?
2人目を妊娠
私には現在10歳になる娘と7歳になる息子がいます。約7年前、2人目を授かった時のことです。
妊娠が分かった次の日、自宅近くの産婦人科に受診しました。その産婦人科は、おじいちゃん先生とベテラン看護師さんたちで、1人目を出産する時にお世話になった場所でもあり緊張や不安はありませんでした。
心拍が無事確認できたので、役所で母子手帳を交付してもらい、妊婦健診に備えました。2人目だったからか少し心に余裕があり、お腹の中にいる小さな命に向かって
「一緒に頑張ろうね〜!」と声をかけました。
最初の妊婦健診。検尿や採血などがあり、子宮がん検診もありました。1人目妊娠時に受けた子宮がん検診では異常なしだったので“今回もきっと大丈夫でしょ!”と思い気にしていなかったです。
それってガンなの?
2回目の妊婦健診。全く心配してなかった子宮がん検診の結果。
「子宮頸部高度異形成でした」いつも優しい先生がなんとなく言いづらそうでした。
聞いたことない言葉を言われて思わず
「えっ?」と聞き返しました。
「それってガンですか?」
「お腹の中の赤ちゃんは大丈夫なんですか?」
「私、これからどうなりますか?」パニックの私。気づけば先生に質問攻めでした。
先生は
「ガンじゃない。赤ちゃんも大丈夫。だけど子宮頸部に悪くなった細胞ができていて、子宮がん一歩手前の状態。これを放っておくと子宮がんになってしまうから、その前に手術をすることになるね。今は妊娠中でできないからお産後になると思う」結果表を見ながら私の状況を丁寧に教えてくれました。
先生が丁寧に説明してくれたものの、私にはショックが大きすぎて半分も聞けてなかったと思います。
帰宅してすぐネットで、「子宮頸部高度異形成」というワードを片っ端から調べました。
私と同じ境遇の人がどのくらいいてどのように乗り越えたのか、少しでも自分の不安を取り除きたくて、毎日いろんな人の体験談を読みました。
これから出産という大きな行事があるのに、その後にまた手術なんて… 心にも体にも負担だと思いました。私自身痛みに強いわけではないので、覚悟を決める瞬間が2回もあると思うと憂鬱でたまりませんでした。
お腹の赤ちゃんのこと、これからお姉ちゃんになる娘(当時2歳)のこと、自分の体のことなど全てが不安で、正直心はボロボロ…。でも先生や看護師さん、家族が親身になって支えてくれました。
いよいよ出産
不安な気持ちのまま迎えた出産。予定日よりも2週間早かったのですが無事息子が産まれてきてくれました。無事出産を終えて、痛みからの解放と、可愛いわが子に会えて嬉しい気持ちでいっぱいでした。
でもやっぱり頭の片隅に手術のことがあって不安な気持ちでした。でも面会に来てくれた娘や、隣でスヤスヤ寝ている息子の顔を見ていたら「出産も頑張れたから手術もきっと頑張れる!」そんな気持ちになりました。
入院中に診察があり、手術日程を決める日でもあったので覚悟はしていたものの、今の状態を知るのがとても怖かったです。
診察が終わり緊張していると
「お母さん、悪い細胞が全部剥がれ出て、今とても綺麗な状態。手術しなくて大丈夫。きっとお産の時に剥がれ出たんだね!!」先生もホッとしたような柔らかな笑顔で話してくれました。ずっと不安だった気持ちが一気に軽くなりました。
「息子が一緒に剥がし出してくれた。小さな命が私の命を助けてくれたんだ」心からそう思いました。産まれた時から親孝行な息子に「ありがとう」の気持ちが溢れました。そしてまさに奇跡だと思いました。
このタイミングで妊娠して子宮がん検診を受けていなかったらこの病気を見つけることができなかった…。息子がスクスクと育ってくれてなかったら無事出産を迎え、悪い細胞が一緒に剥がれ出るなんてこともならなかった…。
当たり前に進んでいたことかもしれないけど、全てが重ならなかったらきっとこの奇跡は起きなかったです。今の私があるのは息子のおかげだと思いました。
(ファンファン福岡公式ライター/miho)