<かかりつけの小児科>あることがきっかけで母の職業がばれた話

保育園に通い出してから体調を崩して小児科にかかることが増えた娘。そんな娘のかかりつけの小児科で、発熱したときに問診表に書いたある言葉で、母である私の職業がばれてしまった話です。

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保育園の「洗礼」を受けて

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 私は3歳の娘を育てている主婦。看護師として時短でパートをしています。出産と同時に退職しましたが、娘が生後8カ月のころに病院に復職。娘はそれに伴って保育園に通い始めました。

 子どもが保育園に通い始めると体調を崩しやすくなる、いわゆる「保育園の洗礼」というのはよく言われますよね。わが子もまさしく洗礼を受け、保育園に通い出してから小児科にかかる回数が増えたのです。

発熱時の問診で「挿肛」と書いたら

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 あるとき、娘が風邪をひいて発熱したときのことです。熱は40℃を超えたため、以前もらっていた座薬を使用。Web問診には「座薬を挿肛(そうこう)した」と記載しました。

 すると受診したときに看護師さんから、
 「お母さん、もしかして看護師さん?」と声をかけられたのです。聞けば、
 「“挿肛”って書いているのを見て、もしかして同業者かな? ってみんなで話してたのよ」とのこと。

 考えてみれば、“挿肛”なんて、医療現場では使われるかもしれませんが、一般的には使わない言葉ですよね。娘の問診でしたが、仕事で看護記録を書いているような感覚になっていたのかもしれません。職業を隠していたわけではないものの、よく行く病院で同業者に知られたことで、なぜか気恥ずかしい気持ちになってしまったのでした。

相談や愚痴を聞くことが増え…

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 その後、受診したときは同じ看護師同士ということで、問診以外でも話しかけられることが多くなりました。時には、
 「どうやったらもっとうまく患者さんを回せると思う?」
 「見ててわかると思うけど、いつも混んでいて本当に大変なのよ」
 「院長がいろいろと手を広げちゃうし、何とかならないかしらね」などと相談のような愚痴を言われるようになったのです。

 私自身も小児科ではないものの、非常に人気で常に混んでいるクリニックで働いた経験があるので、気持ちはよくわかります。

 とはいえ、実際にその小児科で働いているわけではなく内情を詳しく知っているわけではないので、具体的なアドバイスなんてものはできるはずもなく…。
 「大変ですよね」と苦笑いすることしかできませんでした。

 そのクリニックは小児科と看板を掲げているものの、大人も診てくれるということもあってか、いつも混んでいました。さらに時はコロナ禍で、いろいろと制限があったり、細かなことを気にする方もいらしたり。

 看護師さんや医師も含め、スタッフの皆さんは様々な意見をもらうこともあったのだろうと思います。大変な毎日の中、吐き出す相手が欲しかったのかもしれません。クリニックの看護師さんの話を聞きながら、まるで自分の職場で愚痴を聞いているような気持ちになりました。

医療現場はどこも大変だが…

 働いていれば、どこに行っても大なり小なり愚痴や不満というのは出てくるもの。看護師のような医療従事者であれば、仕事内容に対してだけでなく、医師や上司相手だったりもします(大きな声では言えませんが、時には患者さん相手だったりも)。

 看護師さんの話を聞きながら、どこの職場でもみんな同じような悩みを抱えているのだな、と改めて感じました。とはいえ、子どもの体調不良で受診することが多い小児科で、看護師という職業がバレてしまったことで、愚痴を聞かされる羽目になってしまったのは正直困りました…。

 このさき新たな病院にかかるときには、不用意に専門用語を使うのは控えようと思っています。

(ファンファン福岡公式ライター/eminko)

※この記事内容は公開日時点での情報です。

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