乳歯から永久歯へと生え変わる小学生の頃は、虫歯になりやすい時期にもかかわらず歯磨きを嫌がってしまう子も多いです。虫歯になったり歯茎が炎症を起こしてしまう前に、きちんと歯を磨く習慣をつけたいところ。今回は、歯磨きをしない小学生への対処法や楽しく磨けるおすすめグッズなどをご紹介します。
子どもの歯が生え変わる時期
小学生になるとすこしずつ乳歯から永久歯へと生え変わっていきます。この生え変わりの時期は、歯にすき間が生まれたり、歯茎が盛り上がって炎症を起こしてしまうなどでより歯磨きがしにくい状況に。子どもの歯の状態をしっかりと理解しておくことで、歯磨きへの適切なケアが行えるようにもなりますよ。
初めて乳歯が抜けるのは6歳頃
子どもの歯(乳歯)は、5~6歳の頃初めて抜ける子が多いようです。だいたい下の前歯から抜け始め、7~8歳くらいで上の前歯が抜けます。前歯から奥歯に向かって生え変わるのが平均的な流れ。12歳頃になるとすべての歯が乳歯から永久歯へと生え変わります。
歯の生え変わりは個人差があるためすべてがこの流れとは限りません。抜けるのが遅いなど心配な場合は一度歯科医に相談してみるとよいでしょう。
乳歯が抜ける時期に起こるトラブル
乳歯が抜ける時期には、歯にすき間ができて食べ物のカスが詰まりやすくなります。また、新しい歯が生えてきたばかりの頃は表面のエナメル質が弱く粗いため、汚れがつきやすく虫歯になるリスクが高まります。
特に奥歯などの大きい歯が生えてくるころが歯肉が被っている状態で出てくるため歯茎に炎症が起こりやすく、そこに食べかすも入るなどトラブルになりやすい状態に。しっかりと歯磨きをしないと虫歯になってしまいます。
小学生はなぜ歯みがきが嫌なの?
小さい頃は歯磨きも親の仕上げ磨きも抵抗なくできていた子も、小学生にあがるとだんだん嫌がったり適当になってきます。そもそもなぜ子ども達は歯磨きが嫌いなのでしょうか。
めんどくさい感情が芽生える
せっかく習慣づいていた歯磨きも、子どもが成長するにつれて数分間の歯磨きがめんどくさくなってしまうことも。虫歯になりたくはないけどめんどくさい。早くテレビやゲームがしたいなど別の気持ちが勝ってしまうと余計やりたくなくなります。
歯磨きのブラシや歯磨き粉が合わない
歯磨きをしない子の中には、固い歯ブラシで歯茎が痛くなるからいやだ、歯磨き粉が嫌いなどの理由もあるようです。特に歯の生え変わり時期は歯茎も炎症を起こしやすくなっているため少し固めの歯ブラシだと痛く感じることも。また、子ども達は急いで終わらせたいがため必要以上にブラシに力を入れて磨くことも多く、歯茎を傷つけてしまう恐れもあります。
歯磨き粉の味が苦手という小学生もいるでしょう。ミント系が嫌な子もいれば兄弟で好みの味が分かれてしまい歯磨きがしたくなくなるということもあります。
虫歯になる危機感がない
これまで虫歯になったことがなく、痛い思いを知らずに過ごしてきた子達は、虫歯になった時の大変さが分からず危機感をなくしている場合もあるでしょう。“どうせ仕上げ磨きしてくれるから” “一度も虫歯になんかなったことないし”などの気持ちがあると丁寧に歯磨きをしようを思わなくなってしまいます。
仕上げ磨きはいつまでするの?
小さい頃は歯磨きの時に親が仕上げ磨きをしていたものですが、小学生になっても仕上げ磨きは必要なのでしょうか。
仕上げ磨きは10歳頃まではやってあげよう
ライターの通う歯科医の先生に聞いてみたところ、仕上げ磨きは最低でも子どもが10歳になる頃まではしてあげたほうが良いとのこと。
生えかわり期は口のなかが凸凹していてみがきにくいため、子ども一人では磨き残しがどうしてもでてきてしまいます。仕上げ磨きは歯磨きの度に行うのがベストですが、朝は親も子も忙しくゆっくりと仕上げしてあげる時間も取れない場合が多いでしょう。そんな時は一日一回寝る前にゆっくりとしてあげるのがよいですね。
仕上げ磨きは寝かせてするのがおすすめ
仕上げみがきをする際の姿勢は、子どもを膝の上や足の間に寝かせてするのがおすすめです。大きくなると対面に座ってする人もいますが、対面での仕上げ磨きは口の中が見にくく、特に上の歯や奥歯の側面等に磨き残しがでてしまいがち。寝かせて磨く方が口の中がよく見えて、ブラッシングもしやすいですよ。
歯磨きをしない子へのおすすめの対処法
歯磨きをしない・嫌がる小学生には、少しでも歯磨きが楽しくなるような工夫をしたり、短時間でも綺麗に磨ける方法を教えるなど親がサポートしていく必要があります。
歯ブラシや歯磨き粉を変えてみたり、歯磨きアプリを取り入れるなどおすすめの対処法をご紹介します。
歯ブラシの選び方
まずは子どもが毎日使う歯ブラシを好きなキャラクターデザインのものに変えてみるなど見た目から楽しくなれるような配慮も必要です。
歯ブラシの選び方としては、生え変わりの時期やまだ口が小さい低学年のうちはヘッドが細くて小さめのものがよいでしょう。ブラシのかたさは柔らかめ~普通位がおすすめ。やわらかいものでもしっかりとフィットできていれば汚れは落ちます。
ライターおすすめのものは、光る歯ブラシ。色が変えられるものはその日の気分で子どもが選べるので楽しみが増えます。中にはタイマー機能がついており2分間たったらライトが消えるものなども。このようなアイテムだと「ライトが消えるまで磨こう」というルールが生まれ、一定の時間歯磨きする習慣がみにつきます。
おすすめのフロス&歯磨き粉
歯ブラシだけでなく、歯磨き粉やフロスも見直してみるとよいでしょう。歯磨き粉はフッ素が配合のもので、刺激がつよくないものが人気。高学年になっても子ども用のぶどうやイチゴ味の歯磨き粉を使っても構いません。子ども好きな味を選んでもらうのが一番よいでしょう。
仕上げ磨きの際には、歯間ブラシやフロスを併用するのがおすすめ。フロスはワックスタイプのものを選ぶと使いやすく、歯間ブラシは、子ども向けに風味のあるものも販売されています。
歯磨きサポートアプリ「ポケモンスマイル」を使おう
歯磨きをさぼりがち、嫌がることが多い子には、「ポケモンスマイル」というアプリを使ってみては。ポケモンスマイルはスマホ向けのアプリ。画面に向かって歯磨きをゲーム感覚で楽しめる内容になっています。
ピカチュウやイーブイなどの好きなポケモンキャラを選択し、ゲームをスタートさせるとスマホ画面に自分の姿をポケモンが表れます。歯磨きをしていくとばい菌をやっつけることができ、最後にモンスターボールでポケモンもGETできちゃうなんとも楽しいアプリ。歯磨きの時間は1~3分まで設定でき、歯のイラストでどこを磨けばよいかも表示されるため磨き残しが少なくきちんとすみずみまで歯ブラシできる工夫もされてます。
集めたポケモンはポケモン図鑑に表示されるため、毎日歯磨きを頑張ると沢山のポケモンがゲットできちゃいます!
小1のわが子もポケモンスマイルで毎日楽しく歯磨きを実践中!特に低学年の男の子・女の子におすすめのアプリです。
はみがきカレンダーにご褒美シールを!
スマホゲームなどはあまりやらせたくないという家庭におすすめなのが、手作りの歯磨きカレンダー。普段使っているカレンダーでもよいですが、歯磨きを上手にできた日にはキラキラシールを貼れるなど何かちょっとしたご褒美があると子ども達のやる気もUPしそう!
歯に優しいおすすめのおやつ
虫歯が心配・歯磨きを嫌がる子のおやつについて悩んでいる方には以下のお菓子がおすすめ。
・「リカルチョコレート」…キシリトール100%チョコレート。キシリトールはムシ歯菌の栄養となる糖分を含まず、酸を産生しない為虫歯予防に最適。砂糖不使用でも甘くて美味しいチョコレートなので、甘いもの好きな子にピッタリ。
・「リラックマ キシリトールグミ」…小学生に大人気のお菓子といえばグミ。実はグミは糖分が高く歯にくっつきやすいため虫歯になりやすいものですがこちらは砂糖の代わりにキシリトール配合で歯に優しいお菓子。他のキシリトールグミに比べてコスパもよくパッケージも可愛いので特に女の子ウケがよいでしょう。
三か月に一回は定期健診へいこう
子どもの歯の健康を守るためには毎日の歯磨きが必要不可欠です。歯磨きすることが当たり前となるように日々楽しくサポートしながら習慣づけていきたいですね。とはいえ、磨き残しを完璧に防ぐことは難しく、見えない所に歯石がついていたり、気づいたら虫歯になってしまったなんてこともありえます。
家庭では落としきれない汚れや、歯の状態を詳しくみるためにも三ヶ月に一度の目安で歯科医院で定期健診をしてもらうとよいでしょう。子どもの定期健診では、乳歯や永久歯の確認・歯の洗浄のほか、フッ素を塗ってくれます。親の言うことを聞きたがらなくなってきた小学生には、歯科医院で相談し歯磨き指導をしてもらうなどもできますよ。
困った時は親だけで悩みを抱え込まず専門家に相談してみてくださいね。
【参考文献】
・『ポケモンスマイル』公式サイト (pokemon-smile.jp)
・子どもの歯が抜けるのはいつ?抜ける順番・生える順番・注意点・ケア方法をチェック (haisha-yoyaku.jp)