「ママ大丈夫?」生理痛に苦しむ私に尽くす優しい6歳息子【ほっこりする話】

みなさんは、子どもの優しさに触れて涙したことがありますか? 大人のちょっとした変化でも、気づいていないようで気づいてくれる。いつも純粋で素直な子ども。私は、そんな子どもの優しさに触れて涙しました。

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最悪なことが続き…

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 私は、2人の子を育てるシングルマザーです。
 息子が1歳になったくらいに離婚をし、それからはずっとひとり親世帯です。両親にフォローをしてもらいながら“母親役”と“父親役”の二役をしてきました。

 息子が6歳だった時のできごとです。嘘みたいに最悪なことが続いた日がありました。仕事で提出した書類に不備があり最初からやり直したり、電話で理不尽に怒鳴られたり、気持ちを切り換えようと好きな飲み物をお店で頼んだら違うものが出てきたり…。

 朝から「なんて日だ!」と叫びたいくらいで、もうこれ以上嫌なことが起きないでほしい! と思っていました。しかも今日は体がだるい。なんとなく頭も痛い、腰も痛い… そう思っていたら仕事中にきてしまった… 月に一回くる“アレ”。

追い込むかのようにきた“生理”

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 産後の体質変化やホルモンバランス、年齢を重ねるにつれ生理前になると眠気やだるさ、頭痛、腰痛、下腹部痛などの症状が出るようになりました。

 これらは一度に全ての症状が出る時もあれば、頭痛だけの時もあります。でも今回はほぼ全部の症状が… こんな最悪なこと続きの日に… 本当に今日はついてないと思いました。

 なんとか仕事を終えて帰宅し「あぁ、今日は本当になんて日だよぉ…」心も体もつらくて正直どん底でした。だけど家のことや子どもたちのこと、まだまだやるべきことがあってそれが終わるまでは“休めない”と、重だるい体を懸命に動かしていました。

 すると宿題を終えテレビを見ていた息子が、私の様子がいつもと違うことに気づいて
 「ママ、もしかしてしんどい? 大丈夫?」と、聞いてきました。心配そうな面持ちで気にかけてくれる息子の言葉に胸がギューっとなり、思わず泣きそうです。

子どもに弱音を吐く勇気

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 「うん、正直しんどい。今日仕事でいっぱい間違えちゃってね。あと、仕事中に生理来てさ、お腹も頭も痛くて本当にしんどかった。」
 子どもにこんなこと言うつもりではなかったのですが、この日は本当に心も体も疲れていて、つい言ってしまいました。

 弱音を吐いた私を少し嬉しそうに見つめながら
 「しんどかったね。ママ、ボクに任せて! お姉ちゃんと一緒にやるから! ママは座ってて。横になっててもいいよ!」そう言いながら振り返り、黙々と洗濯物を畳んでくれたり、お風呂掃除をしてくれたりしました。

 反抗期の娘(当時9歳)は、息子ほど声をかけてはくれなかったのですが、無言でギューっと抱きしめてくれました。抱きしめてくれる力や表情で「ママ無理しないでね」と言ってくれているかのようでした。

 薬を飲んで30分くらい横になって休みました。おかげで少し回復したので立ち上がると
 「ママ立って大丈夫? トイレ行く? ナプキンまだある? 持ってくるよ!」息子の次々と出てくる優しい言葉に、家に着いてからグッと堪えていた涙が溢れ出てきました。

 「なんで泣いてるの?! お腹まだ痛い? お腹ヨシヨシするよ。ママもう一回横になれる?」心配そうにお腹をさすってくれる息子に
 「優しくて、涙が出ちゃった。止まらないよ…。でもありがとうね。本当に助かったよ」そう伝えると、とても嬉しそうでした。

 今まで、子どもの前で弱音を吐くどころか涙も見せてきませんでした。母として強くありたかったからです。でも、弱音を吐いた私を子どもたちが優しく受け入れてくれたことが嬉しくて、今まで我慢してきたものが一気に溢れました。

 シングルマザーになってからずっと、子どもたちのためにと1人で走ってきました。でもこの日の2人の姿を見て“ママだけで頑張らないでね。”そう言われたような気がして少し肩の力を抜くことができました。これからは子どもたちを頼りながら、子どもたちと一緒に成長していきたいと思いました。

(ファンファン福岡公式ライター/miho)

※この記事内容は公開日時点での情報です。

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