日本茶の新たな発信地「SABOE HAKATA」が11月3日、福岡市博多区御供所町の博多旧市街にオープンしました。茶を通して世界とつながり、茶の発展に貢献することを目的にする「茶方薈(さぼえ)」の新しい文化拠点です。日本茶、菓子、茶器などを取りそろえた売店と茶房を併設しています。「ベイスギャラリー」のアートスペースと隣接し、訪れる人々が茶と芸術に親しむ場を提供します。
独自製法のブレンド茶をテイスティング
「SABOE HAKATA」は日本茶発祥の地とされる聖福寺や承天寺にほど近く、茶祖・栄西や饅頭(まんじゅう)・羊羹(ようかん)を日本に伝えた聖一国師ゆかりの地に開店。
1階の売店では、蒸したての「甘酒饅頭」(1個200円)が用意されています。店舗正面横の窓からテイクアウトが可能です。
日本茶、果実、穀物などを合わせた独自製法のブレンド茶「T., Collection」を取り扱っています。茶はテイスティングカウンターで試飲できます。
「T., Collection」は時間帯に合わせた10種類の茶を提案しています。午前中にはすっきりした味わいがおすすめで、例えば一日の始まりにふさわしい「1 果 Ka」は煎茶(せんちゃ)や柚子(ゆず)などを使った爽やかなテイスト。目覚めの茶です。
午後には菓子や食事にもよく合うブレンドがおすすめ。夜、睡眠前に飲んでも安心な味わいの「10 豊 Ho」にはトウモロコシや大豆などの穀物がブレンドされています。シーンに合わせて選べるのが魅力です。このほか、季節に合わせた2種類のブレンド茶もあります。
ガラス瓶に入った茶葉を見たり、香りをかいだり、飲み比べたり。日本茶に詳しくなくても、好みの品が見つかるはずです。
全ての茶が熱いお湯を注いでおいしく飲めるように作られていて、淹(い)れ方の失敗が少ないといいます。
茶のパッケージは中国茶の「蓋碗(がいわん)」をイメージ。サトウキビの搾りかすが使われた非木材で、陶器のような質感に仕上げられています。容器であり、茶器でもあり、湯飲みにもなる優れものです。
日本茶を深め、菓子、酒とともに味わう
「茶方薈」の原点は東京で2003年に始まった和菓子店「HIGASHIYA」にあります。日本茶、菓子、そして酒を“三味一体”で楽しめるようにとのコンセプトが息づいています。
「SABOE HAKATA」2階の茶房でも、茶、菓子、酒が堪能できます。
「茶と菓子とあて」(2,750円)はT., Collection、季節の菓子、あて八寸のセット。
提供されるのは「HIGASHIYA」の菓子です。干し柿を丸ごと1個使用した「柿衣」は季節限定で登場。中に入った白あん、バターが柿と絶妙に調和した逸品です。
種類ごとに茶器、湯の温度が使い分けられます。スタッフの美しい所作に魅了されながら、ゆったりと流れる時間。日本茶の奥深い世界に浸るひとときが過ごせます。
緑茶のマティーニ、山椒とカモミールと煎茶のジントニック、焙じ茶ハイボールなどのすてきな茶酒も味わえます。
また、東京・日本橋茅場町の現代美術画廊「ベイスギャラリー」のアートギャラリーと隣り合わせる粋な造りが、日本茶とアートが融合するぜいたくな体験もかなえます。
SABOE HAKATA
住所 福岡市博多区御供所町5-27 グラムビル御供所町
電話 092-260-8855
営業 売店11:00~19:00、茶房13:00~23:00(日曜・祝日13:00~19:00)
定休 水曜