転勤族にとって新しい土地に慣れるのは苦労が付きまといます。その一つが自治会の班長当番です。とある自治会に入った時の班長当番のトラブルと、旦那の機転を利かせた切り返しをご紹介します。
転勤族は班長当番が煩わしい?
転勤が必須な職業についていると、周囲には
「いろんな土地が見られて楽しいでしょう? あちこち行けるし」と声をかけられますが、楽しいことばかりではありません。
やっとその土地に慣れた頃には次の引っ越し時期になります。生活を一からまた組み立てていくのは大変です。その一つが自治会の班長当番です。これが煩わしいといつも感じてしまうのです。なぜ自治会の班長当番が煩わしいのか? それは住み始めたばかりなのにすぐ頼まれるからです。
実際に
「お宅が来てくれてよかった。若い人がこの地区には少ないから。じゃあ、来年自治会班長をお願いしますね! 役員もあるけどそれは次回に」と言われたこともありました。
ところが、転勤族側からしてみると転勤の度にいつも班長や地区役員などをやっているのです。
「え、またうちがやるの? 数年前にやったばっかりなのに。おまけに次は役員まで?」と、不満に思っていても、それはこちらの都合なのです。
住んでみないと何もかもの情報がない
自治会の難点の一つがその情報検索が難しいことです。私たちは同じ市の違う地区に2度引っ越したことがありますが、それぞれの地区で大きく異なりました。
まずAという地区では自治会費は年間で1万円を納める必要があり、入会の際には自治会の集会施設の維持のために、持ち家なら一度だけ10万円の支払いが必要だったのです。
「なんですか? その10万って」
「持ち家の方は皆さん払ってます」さも当たり前ですが? といった表情で言われます。
「うちは借家ですが」
「あ、なら…」
わが家はこの支払いは必要ありませんでしたが、事前に知っていたら住む地区を考え直したかもしれません。
また同じ市のB地区に始めたときには自治会費は年間で7,000円で、それとは別に班会費が年間で1万円必要でした。そして依頼された役員に関しては2年縛りでした。こちらも住むことになってからでないと情報は一切なく、ご近所づきあいの関係もあって諦めて入会しました。
効率の悪い自治会運営
当時私は子どもの小学校で役員になっていたため自治会関係は旦那にバトンタッチしました。その時住んでいた自治会では、自治会班長よりも先に自治会役員の当番をお願いされたために役員をやることになりました。
初の役員会から帰ってきた旦那の第一声は
「いろいろ面倒くさいな、自治会の役員」でした。
「何が面倒なの?」と聞くと、
「あまりデータ化されてない。本当に必要な情報なのかが紙資料からじゃわからん!」
旦那は役員会の中でも、データ化されていて管理がしやすいであろう会計を担当することにしたそう。しかしいざやってみると、紙資料として残っているものが多く、作成された文章の元データがない状態でした。
旦那は2年間苦労しながら役員をこなし、土日にはパソコンに向かい、自治会長と様々な元データなど作ってUSBメモリに残してから次の担当の方に引き継ぎました。
旦那の取った行動
やっと役員を終えると次は班長をお願いされることになりました。旦那は
「3年連続はできません。仕事は夜勤もあるので、1年あけてからにしてください」と班の方にきっぱり断りました。
そして、1年後に班長を引き受けましたが、その年にまた転勤になりました。バタバタと準備に追われ、次の方に急いで引継ぎを済ませて引っ越ししました。
「実は、異動の可能性があったからあえて班長を引き受けたんだ。そしたら途中で嫌でも代わるでしょ」と打ち明けられました。旦那は役員の2年間で自治会にうんざりしたのです。少しずるいやり方にも思えましたが、あの時の忙しさを考えると何も言えませんでした。
地域に住む人には自治会は必要な組織です。新しくきた住人にもその土地を知るきっかけにもなり、ご近所さんとの付き合いのきっかけにもなります。それでも転勤族にはこういった裏事情がある事を知っていただけたら、新しくやってきた住人がスムーズに地域になじむきっかけになるのではないでしょうか?
(ファンファン福岡公式ライター/musukari)