お~い うし君どこ行ったあ 【サ日記】

 明けましておめでとうございます。福岡市南区から飼い猫をしとるサニのご挨拶です。

 背中を向けて失礼するが、今年もよろしく頼みます。弟子のチョビかと思ったら、こいつはその弟で地域猫のとらだ。分際をわきまえず、おれの横でぬくぬくと毛布に乗ることがしばしばだ。

 こっちがチョビだ。姉のくせに弟におびやかされて逃げ回るのでかわいそうだ。

 本来は、おれの横はチョビの指定席なんだがな。

 ところで、この何か月かおなじみ地域猫のひとり、「うし」の姿が見えない。

 元々風来坊みたいなやつでしばらく姿を現さないこともあるが、おととしは年末の挨拶にだけは顔を見せたが、去年はついに来なかった。奥さんの「おかあちゃん」はだいたい毎日うちに来るんだが。

 とらのとうちゃんでもある。うしの子どもだから、干支の順番によって、「とら」と名前がついた。

 家族四人仲むつまじい写真だ。見てのとおりとらと一緒に生まれた兄弟がいたが、やつもいつの間にか見なくなった。猫好きのおばさんが話しかけてたから、連れて帰ったのかもしれん。

 ほら、うしは子ぼんのうなおとうさん、という風情だろ。

 小さかったとらもだいぶデカくなった。眼光鋭いが、何も獲物は獲らんがな。

 今ではおねえちゃんのチョビよりも、

 おかあちゃんよりも、からだは大きくなったぞ。おかあちゃんも時々遠征して大きな道の向こう側に行ったりしてるから、だんなのうしはそっちにいるのかもしれん。

 大きな道からは、こんな夕暮れの風景も見えるらしいが、おれはもうイイとしだから、庭の外には行かんようにしている。

 久しぶりにちょっと外に出てみたが、松重豊さんばりに

「はらが減った」。

もう入れてくれ。うしを探そうかと思ったが、近くにはいそうもない。

まあ、また寅さんみたいにふらっと帰ってくるじゃろう。

※この記事内容は公開日時点での情報です。

著者情報

福岡市南区在住。サバトラ柄。熟年オス猫。雑種だが、アメショーの血が入っていると思っている。
ふてぶてしさが身上の甘え上手。
推定5歳か6歳の頃、今の飼い主宅に上がり込み飼い猫に。それ以前は不明だが、数百メートル離れた公園にいたとの不確かな情報。おととしの暮れ、孫娘のようなキジ白猫チョビが弟子入り。
世の中の動きに敏感なものの、とくに行動はしない。

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