息子を出産し、退院の日を迎えると、助産師さんから「産後は体力を回復させるために、赤ちゃんの世話以外はできるだけ体を休めてくださいね」と言われました。しかし、私はその助言を無視してしまい、後に大きなダメージを受けることになったのです。
憧れていた母親になり、夫にも余裕のワンオペ宣言
退院の日に助産師さんから、できるだけ体を休ませるように助言を受けていたものの、私には頼れる人がいませんでした。両親は既に他界、頼みの夫は毎日残業続きで、帰宅は夜10時過ぎです。
しかも私は、子どもの頃からの憧れだった「母親」になれて、すっかり浮かれていました。「お母さんになったんだもの、頑張らなきゃ!」と奮起。家事も育児も、何でも自分一人でこなすつもりでした。
午前中に退院した当日、帰宅後すぐに昼食を作り、掃除をして、息子に授乳もしました。しかし、やはり体は弱っていたようで、包丁を握っても力が入りません。掃除機をかけると、息切れのような症状が…。それに昼夜を問わない2、3時間おきの授乳でふらふらです。
それでも「誰にも頼れないから」と、出産前と同じペースで家事をこなしながら育児をしました。最初はきついけど、体は元に戻るはずだと軽く考え、
「安静にするように言われてたけど意外と動ける!」
「息子の顔を見てると疲れを感じない!」などと夫に得意げに語る始末です。
そんな私の様子に安心してしまったのでしょう。夫は仕事に専念して、家事も育児も私に任せきりの状態になっていました。
知らず知らずの間に、体にダメージをため込んで…
そんな生活を1週間くらい続けた日の朝。授乳のために体を起こそうとしても、手足が鉛のように重たく動けなくなりました。それでも無理やり起きて座ってみると、目まいがして吐きそう…。その上、胸もガチガチに張って、痛みや熱もあります。
あまりの体調の悪さに、私は夫に仕事を休んでもらい、病院へ行きました。診察の結果、産後の貧血と自律神経の不調、乳腺炎が重なっていたことが分かりました。そして
「できるだけ安静にして、休息を十分に取るように」と言われたのでした。
やっぱり、休まなければダメだったようです。しゃべる気力さえなくなっていた私は、自宅に帰ると、そのまま布団に直行し、泥のように眠りました。
その間は、夫が息子の世話をしながら家事をしてくれました。夫の本格的な育児参加は、その時が初めてでした。
一人で育児と家事をやってみた結果、夫は
「ワンオペでは無理!」と実感したようです。その後は、積極的に家事を手伝ってくれるようになりました。おかげで私も休息を挟みつつ、育児を楽しむ余裕も生まれました。
私は時を戻せるのなら、退院直後の自分に「とにかく産後は休んで、夫にどんどん家事を任せなさい!」と言い聞かせたいと心底思ったのでした。
(ファンファン福岡公式ライター/minimix)