<一体何が?>両家顔合わせが地獄の雰囲気に! 機転を利かせたのは父のある一言だった

マッチングアプリで知り合い、結婚に至った彼と私。世間体的にもアプリで出会ったことを両親に伝えられずにいました。しかし、このことが両家顔合わせの場での悲劇を引き起こすことになるなんて…

マッチングアプリでの出会い

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 今から約9年前、マッチングアプリで知り合った私と彼。出会った当時はまだマッチングアプリが知られ始めたばかりで、友達にも言いにくい雰囲気。特に親世代にはまだまだ理解が得られない時代でした。

 結婚が決まり、母との会話の中で何度か彼との出会いを聞かれたものの、母の反応を想像すると驚く姿が容易に目に浮かびました。さらに私の両親はかなり厳しく、しつけやマナーにうるさい人でした。

 もしもマッチングアプリで出会ったなんて知ったら、結婚を反対されるかもしれない…。でも、いつか言わないといけないと分かっていても正直には言えず、
 「友達の紹介で…」と濁したり、話題を逸らしたりしてやり過ごしてきました。何となくうやむやにし続け、マッチングアプリで出会ったことを両親に伝えられずにいました。

両家顔合わせ

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 そして、いよいよ迎えた顔合わせ当日。会場は綺麗な日本庭園のある上品な雰囲気の料亭でした。お互いの両親が手土産を渡し合いながら軽く自己紹介をし、世間話がスタート。

 景色を楽しみながら美味しいお料理をいただきました。お酒が入ったこともあって少しずつ緊張感が和らぎ、会話も弾みます。しかし、ここから地獄が始まることになるなんて…。

地獄の会食の場

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 徐々に場の雰囲気が和み、話題は世間話から私たちの話へ。付き合った年数や入籍予定日の話になりました。ここで私の父が一言
 「ところで、2人はどうやって出会ったんだい?」

 両家顔合わせで集まっている以上、逃れられない話題ということは覚悟していましたが、聞かれた瞬間、私の心臓はバクバク。顔が赤くなり、何も答えられず、下を向いて黙り込む私。

 私の様子を察知した彼が恐る恐る
 「マッチングアプリで出会いました…」と答えたところ、私の母がびっくり仰天。それもそのはず。てっきり紹介だと思っていた母は驚いて
 「え?! そんなの聞いてない!!」と大騒ぎ。

 その場で
 「紹介で出会ったんじゃなかったの?! なんで嘘付いてたのよ」と問い詰められましたが、私は恥ずかしいやら逃げ出したいやらで何も言えずに黙ってしまいました。

 義両親も苦笑いで、どうしたら良いか分からない様子。
 「まだ言っていなかったのね」
 「私も最初、息子から聞いたときはびっくりしたもの」と義母がフォローのつもりで言ってくれた言葉も私には責められているように感じ、余計に恥ずかしく惨めな気持ちになり、地獄のよう。楽しいはずの会食が私の嘘がきっかけで、混乱の場になってしまいました。

出会い方よりも誰と出会うか

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 ここで、機転を利かせた父が
 「大事なのは出会い方よりも、誰と出会うかだからね。今は少数派かもしれないけれど、これからはそういう出会いが当たり前になってくると思うよ。ところで、ご両親はどうやって出会われたのですか?」と別の話題の方に持っていってくれました。

 そのおかげで、「昔は文通だった」「メールなんてなかった」など昔の思い出話に花が咲いていました。驚いて取り乱していた母も、父と出会った当初の思い出話をしているうちに落ち着きを取り戻して、場の雰囲気はまた元通りに。無事、楽しい歓談の時間となりました。

 今は当たり前の出会いとなったマッチングアプリも、当時の世間的にはまだ怪しいものというイメージが強かったので、なかなか正直に言える雰囲気ではありませんでした。しかし、嘘をついたことが原因で顔合わせの場でこんなに恥ずかしい思いをするくらいなら、初めから正直に言うべきだったと痛感した出来事でした。

(ファンファン福岡公式ライター/りん)

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