学校で息子が友達のママから私宛てに手紙をもらってきました。ビックリするほどの美文字で習い事のお誘いが書かれていました。いざ体験に行き差出人のママと初対面したのですが、上品な美文字の手紙からは想像がつかないような差出人で…!?
ビックリするほどの美文字

ある日、息子が学校で手紙をもらってきました。
差出人は息子の友達のママだそうです。白地に淡い色の小さな模様があるとても上品で素敵な便せん。封を開けると、ビックリするほどの美文字と丁寧な文章で野球の習い事のお誘いが書かれていました。
野球には興味があったので差出人のママに色々聞いてみたかったのですが、その手紙には
「直接チームへ連絡ください」と書かれてありました。わざわざ手紙を書いて誘ってくれたわりに、仲介してくれないのか… と少しモヤモヤしましたが、直接チームへ連絡して体験に行くことにしました。
差出人のママと初対面

チームの人から指定された時間に行くと、体験に行くことを知らされていた手紙をくれた息子の友達が嬉しそうに近づいてきます。辺りを見回しましたが、近くに友達のママらしい人はいません。とりあえず、ユニホームを着た指導者っぽい男性に声をかけ挨拶をしました。
体験に来た経緯を話すと、一人の女性を指さし
「〇〇(手紙をくれた友達)のママだよ」と、教えてくれました。気だるそうに
「… あざま~」(多分「おはようございます」?)と挨拶する女性はかなり明るい髪色のロングの巻き髪で、ギャルというより夜の街の香りがする服装で足元はピンヒール。ダメージジーンズを履いた足を広げたまま、椅子に座っています。
同い年の息子がいるママとは思えない見た目とグラウンドには相応しくない服装のため、私は少し身構えてしまいました。しかし学校で子ども同士は仲良くしているそうなので、私は
「息子がお世話になってます」と挨拶し、手紙のお礼をしました。
そのママは口数こそ少ないですが、
「いいえ~、こちらこそ」と応えてくれました。足を広げて椅子に座りながら。
とりあえず無料体験をしてみることに

見た目はまるでヤンキーだけど、あれだけの美文字で丁寧な文章を書ける人です。あの時はきっと朝が早かったので、眠くて気だるそうに見えたのでしょう。人を見た目で判断してはダメだと息子に言っている手前、自分にもそう言って聞かせます。
息子が言うにはその友達は
「普通にいい子」だそうなので、そのママもきっと普通にいい人なのでしょう。子どもの習い事は親同士の付き合いも重要です。
私達はとりあえず1ヶ月の無料体験をしてみることにしました。その間に見極めることにしたのです。
手紙の「美文字」とは裏腹に…

翌週から一緒に練習をさせてもらったり練習試合にも少し出させてもらったりして、子ども達・指導者・保護者それぞれの様子を観察し、徐々にチームの雰囲気が分かってきました。子ども達はみんな一生懸命練習をして、指導にも力が入っています。息子も楽しそうにしています。
しかし、全体的に保護者のガラが悪い。 全体的に喫煙者が多く口も悪いのが目立つ中、そのママはダントツです。グラウンドに来てから人前でメイクするのは当たり前。子ども達がお弁当を食べている横で制汗スプレーをシューっとしたり、たばこを吸ったりします。子ども達が咳き込もうがお構いなしです。
また、ある練習試合の時は一人の子に向かって集中的に罵倒を浴びせていました。耳をふさぎたくなるような汚い言葉で。他の保護者も注意をしないので、その子を庇う人は誰もいませんでした。私は胸が痛くなりました。
「上品な便せんに、美文字で丁寧な文章を書く人」と同一人物とは思えないほどのガラの悪い人とは、仲良くやっていく自信はありませんでした。 それにここが息子にとって良い環境だとも思えませんでした。息子は楽しそうにしていたので可哀そうでしたが、私はこのチームへ入団することは無いと決めました。
最後に、罵倒を浴びせられていた子の親御さんに私が見たことを伝えました。しばらくして、その子は別のチームへ移籍して楽しく野球を続けたそうです。
(ファンファン福岡公式ライター/北島しずく)


