九州国立博物館(福岡県太宰府市)の館蔵品には、知られざる名品がいっぱい! 見た目のインパクトで目を引く「何だこれ!?」という作品をピックアップして紹介します。※現在4階展示室に展示されている文化財の紹介ではありません。
冠帽 <年代:朝鮮・三国時代 6世紀>
左右に広がるのは鳥の羽根?
冠帽(かんぼう)は、金銅(こんどう)製のこの「前立飾(まえだちかざり)」は見た目のとおり鳥の双翼(そうよく)。偉い人が、織物の帽子にこの前立を刺(さ)して使用した跡が残っています。頭に金色の鳥を飾るなんてまさに権力者! しかも、金線を撚(よ)って全体につけた歩揺(ほよう)という飾りが揺れてゴージャス!
輪宝 <年代:鎌倉時代 13世紀>
見た目は車輪!?
輪宝(りんぼう)は、蓮(はす)の花の形をした中心部から剣状の鋭い刃が放射状に伸びた金色に輝く仏具(ぶつぐ)。もとは古代インドで敵に投げつける武器だったものが、のちに仏教に取り入れられ、説法(せっぽう)をするお釈迦さまの象徴や煩悩(ぼんのう)を打ち破るシンボルとなりました。
針聞書 <年代:室町時代 16世紀 / 作者:茨木ニ介元行筆>
キモかわいい? 裸のおじさんに寄生虫
針聞書(はりききがき)は、日本で鍼灸が発展したことを示す貴重な東洋医学資料ですが、 描かれている人のポーズや表情がなんともシュールでたまらない! 「針聞書」といえば「はらのむし」を思い浮かべるかもしれませんが、実はこうした人体図や解剖図も収録されています。
重要文化財 花鳥蒔絵螺鈿聖龕 <年代:安土桃山〜江戸時代 16〜17世紀>
洋服ダンス? いえいえ、扉を開けば…
花鳥蒔絵螺鈿聖龕(かちょうまきえらでんせいがん)は、キリスト教の壁画を収める漆器。蒔絵や螺鈿など日本の技術を駆使して作られ、西欧へ輸出されました。豪華な見た目にうっとりしてしまいます。南蛮漆芸の中でも最上等というのにも納得。南蛮貿易がもたらした、和洋折衷の名品というわけですね。
九州国立博物館
住所:福岡県太宰府市石坂4-7-2 電話:050-5542-8600(NTTハローダイヤル)
WHAT’S THIS? 魅惑のなんだ!? コレクション Vol.1【九州国立博物館】