シングルファーザーの父には、私が5歳の頃からずっとお付き合いをしている女性、Aさんがいました。数年前、Aさんと再婚をしたのですが… このことで正月早々、父と修羅場になってしまったのです。
昔からそりが合わないAさんと私
Aさんは父より5歳年下で、前の夫との間に3人の子どもがいるシングルマザーです。休日は、朝からお酒を飲むほどの酒好き。自分の意見を押し通してばかりで、反論が出来ないような威圧感を放つ人でした。
父とAさんはお互いの子どもが独立するまでは再婚しない、と決めていたようです。ただ、私は幼い頃からAさんのことがあまり好きではありませんでした。
「お母さんと呼んで」と言ったかと思えば、
「あんたのお母さんじゃない!」と突き放されたりすることが何度もあったからです。
私が結婚後、Aさんと父は、Aさんが住んでいた家で同棲をスタート。その頃から、酔っぱらったAさんがよく家に電話をしてきて、私だけでなく夫や義母にまで暴言を吐くように…。私はAさんとも父とも関係が悪くなり、疎遠になっていきました。
父はいつの間にか再婚していた!
それから4年後の正月のことです。祖父母宅に親戚一同が集まっていたときでした。父は来るのが遅れるため、叔父さん一家、姉一家、そして祖父母と私と夫は、先におせち料理をつまみながら談笑していました。
ふと叔母さんが
「ねぇ、今日義兄さんはAさんと一緒に来るのかしら?」と話し始めました。姉は
「うーん… どうだろう?」と思案顔でしたが、祖母は
「来るでしょうよ」ときっぱりと断言。
私は
「なんで突然Aさんの話になるの? 毎年来ないんだから今年も来ないよ」と言うと、その場にいた全員が、私に向かって「え!?」という顔をしたのです。
寝耳に水とはこの事でした。父はいつの間にかAさんと再婚していたのです!
全く悪びれない父に激怒
変な空気になったところで、ようやく父が一人でやってきました。乾杯で仕切り直した後、私は父が再婚の話をするのを待っていました。
しかし、一向に父はその話をしません。ついに叔母さんが
「なんで、すずに再婚の話をしないの?」と父に聞いてくれました。父は
「わざわざ俺が知らせることでもないだろ」と言った後
「すずにはAから連絡なかったのか。まぁお前のこと嫌ってるから仕方ないな!」とあっけらかんとした顔で言ったのです!
この態度に私の我慢も限界に。
「私のことが嫌いだから知らされなかったの? 娘を嫌ってる人と父さんは再婚するんだね。で、身内になったのに正月に挨拶にも来ないの? 非常識な人! 親戚に顔見せに来るのが普通でしょ!」と、怒りをぶつけてしまいました。
すると父は
「そういうお前の態度に腹が立つんだよ! 親に向かってどういう口の利き方してんだ! 非常識なのはどっちだよ!」と逆ギレしてきました。
そこから私も父も、今までに無い大声で怒鳴り合いました。いつもは笑顔の叔父さんもだんだん真顔になって、
「二人とも落ち着けよ。じーちゃんばーちゃんも見てるんだぞ」と、声をかけてきました。祖父母の悲しそうな表情を見て、私も父も罵り合うのをやめました。もちろん、心の中はモヤモヤしたままでしたが…。
いつかは和解したいけれど
その正月以来、父と顔を合わすことはなくなりました。昨年、祖父が亡くなり数年ぶりに会いましたが、一言も話しませんでした。
祖母に
「仲直りしなさい」と度々言われていますので、いつかは和解したいと思っています。でも酒乱で威圧的なAさんと、彼女を擁護する父を、私はまだ許せそうにありません。
(ファンファン福岡公式ライター / すずとふくみみ)