総菜のポテトサラダを食卓に出すのは手抜きだとか、唐揚げは手抜き料理だとか、問題発言をするおじさんがメディアをにぎわせたのを覚えている人も多いと思います。そんな話を聞くたびに「世の中の主婦がどんなに大変か、1回やってみろ!」と怒りたくなります。それは、私の夫にも言いたいことです。わが家の実情を紹介します。
妻が料理に手間をかけるのは当たり前だと思ってる?
私の夫は、基本的に優しい人です。洗濯物を干したり、掃除機をかけたりしてくれるので、ママ友の間では「いい旦那さん」となかなか評判です。
そんな夫ですが、炊事だけは手を貸してくれません。どうやら夫は「家族のために、妻が料理に手をかけるのは当たり前」という考えが染みついてしまっているようです。
夫は、私と結婚する30代半ばまで実家暮らしでした。しかも義母は料理上手で、昭和時代に厚生省(当時)が推奨した「1日30品目」の献立を実践していたというスーパー主婦です。
「毎日テーブルは、おかずでいっぱいだった」とうれしそうに語る夫に、私は
「義母みたいに料理はできないし、仕事もあるから、ちょっとくらい炊事も手伝ってよ」と何度も頼みました。
しかし育った環境の影響が大きく、結婚して10年以上たつ今も、夫にとって炊事は“妻の仕事”のようです。
それでも根は優しい夫。「私が仕事で忙しい中、毎日食事の支度をするのは大変そう」とは思ってくれているようで、
「今日は簡単なごはんでいい?」と聞くと、快く答えてくれます。
しかし、実はその返しが私をイラッとさせるのです。
夫が言う“簡単メニュー”に、毎度イライラさせられる私
ある日の夫の返事は、
「いいよ、焼き魚で」でした。
私は「焼き魚ですって? まさか焼き魚が簡単と思っているの?」と耳を疑いました。
だって、さすがに魚1匹を焼いて終わりというわけにはいきません。きんぴらごぼうや青菜のおひたしなど、副菜や汁物を添えないと寂しい気がします。
料理を作るのはもちろん、その献立を考えるのも面倒だから、簡単なメニューにしたいのに…。自炊生活をしたことのない人はそんなことも想像できないのかと、ため息が出ました。
私にとって“簡単なごはん”とは、1皿でたんぱく質、脂質、炭水化物の三大栄養素が満たせるメニュー。例えば、焼きそば、麻婆豆腐、パスタなどです。
そもそも、夫が焼き魚が簡単だと思っているのは、恐らく義母が
「今日は簡単に焼き魚で」とでも言っていたからでしょう。私がいくら修正しようとしても、しっかりその考えが染みついているようで変えられません。
毎回気を使っているつもりの夫に対し、イライラしてしまう私。お互いのために、これからは夫に意見を求めずに、私がその日作れるメニューだけを作っていくのがよさそうです。
(ファンファン福岡公式ライター/ハナコ)