夫との別居を機に、1LDKのアパートに引っ越した私と娘。私は築年数が浅い物件がよかったので、狭めのアパートに住むことになったのですが… 引っ越し後数日で違和感を感じることに。
引っ越しを終え数日
ある夜、聞き慣れない音が… 娘は静かに寝息を立てています。よーく聞くと「娘の寝息とは別の寝息… イビキ!?」隣人のイビキだったのです。この建物は、寝室と居間が隣の部屋と並んでいる造りだったのです。
その時は「家選び失敗したかなー。でも人の気配がある方が寂しくなくて良いか!」と前向きに考え、時に耳を塞ぎながら隣人のイビキや咳払いと共に寝ていました。
恐怖の壁ドン!
1カ月が過ぎた頃、娘が体調を崩しました。吐いたり夜泣きをしたり… 夜な夜な泣く娘を看病していました。ある日、夜中の0時を過ぎた頃に“ドカン!”地響きする程の音が!
ドカンドカン! その後も何度も響きます。それは隣人が壁を叩くどころか、蹴飛ばしているかのような強い音でした。直後、インターホンが鳴り、そこには伸びたTシャツを着た大柄の中年男性が。
「何時だと思ってるんだ!」
「すいません、娘の体調が悪くて… 本当にすいません」とにかく謝りました。怖さで手も声も震え、心臓もバクバク。その日、隣人はそのまま帰りました。
以後、私は娘に
「泣くのはダメ!」と教えるように。しかし2歳半の娘は、その後も泣いてしまうことが多々ありました。
ある日の夕食時です。
「たべない」と言って娘はで大泣き。「まだ18時だし… たまには泣かせておけ」と、娘を放っておきました。すると隣人が帰宅する物音が! マズイ! しかし娘は泣き止まず、即ドカンドカン! という地響きとインターホン…。
「いい加減にしろ!」前回同様、あの男性がいました。今回の私は
「まだこの時間ですし…」と反論してしまいました。すると
「謝れ! 何言い返してるんだ!」と怒鳴られる事態に。そうだよな、と思い直し
「すいません」と謝りました。
でも黙っていられず
「ご迷惑なのは重々承知しています。でも建物の構造上、声や生活音が聞こえやすいようです。イビキも聞こえる程なので泣き声はかなり響いていると思うのですが…」とハラハラしながらも嫌味混じりに返しました。男性は
「あんたのイビキも聞こえてる!」と一言。
「私はイビキはかかないので!」と返すと黙ってしまいました。
「とにかく泣き止ませろ! お前の子だろ!」そう言われ
「すいません、子どもは泣くものではないでしょうか…」思わず返しましたが、男性は
「いい加減にしろ! 謝れ!」等々言い放ちながら、いなくなりました。 うるさいのは分かってるんです。
子ども叱るな来た道だもの
後日、駐車場で見かけたので謝りに行きました。男性は身構えた様子でしたが
「はい…」とだけ返事をしてくれました。
その後、苦情は管理会社を通すことになり、壁ドンはなくなりました。が、大泣きの度、必ず管理会社から連絡がきます。子育ての大変さは分かってくれているものの
「大きな苦情にならないように…」と言われます。
確かに、うるさいと思います。でも… ごめんなさい。母でも泣き止ませられないこともあるんです。決して手抜きじゃなく。娘も必死で泣いて訴えてくるんです。「どうしたらよいの!?」母親だって頭を抱えたくなることもあるんです…。
「社会で子育てを!」そこまでは求めません。ただ「子ども叱るな来た道だもの…」ある詩人の言葉だけ思い出してほしい。あなたもきっとこうして育ったはずなんです。
(ファンファン福岡公式ライター / ちょこまま)