MAGICAL SPEC1周年記念ライブ 結成1年のベスト披露

 福岡市を拠点に活動するアイドルグループ「MAGICAL SPEC(マジカルスペック、以下マジスペ)」が2月27日にDRUM Be-1(福岡市中央区舞鶴)で開催した1周年記念ライブ「first one magic!」に足を運びました。

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「first one magic!」

写真提供:五風

 新型コロナ禍に誕生し、コロナと共に歩んだ1年。感染状況次第ではライブの中止もあり得るうえに、直前まで集客の不振が伝えられるなどメンバーが不安を抱えながら迎えた1周年ライブ当日は集客目標を達成しただけではなく、「今のマジスペ」の最高と言っていいパフォーマンスを披露し、とても見応えがあるステージでした。

写真提供:五風

 またライブのアンコールでは、音源化されていない楽曲を中心に新曲を含めたミニアルバムを4月27日(水)に2枚同時発売すること、2周年ライブをDRUM Be-1の約3倍の規模がある福岡の老舗ライブハウス、DRUM LOGOSで2023年25日(土)に開催することが大沼智哉プロデューサーからサプライズで発表されるなど、2年目へ勢いをつけるライブとなりました。1周年記念ライブの様子などをレポートします。

悔しい思い乗り越えた15曲

 新たに制作されたオープニングSEとともにステージに登場しダンスパフォーマンスを披露した6人。軽快な「Jumping to」「Sparkling」と続け、ド派手な照明の演出と合わせて詰めかけた観客のボルテージを一気に高めました。

 MCをはさんだ後はさらに3曲ノンストップで披露。一旦メンバーがステージから下がると会場の壁面にこの1年を振り返る各メンバーのインタビュー動画、さらにグループ初のMV「DREAMIN’」が映し出されました。

 MV明けを引き継ぎステージに戻ったメンバーは新衣装で「DREAMIN’」を激しい振り付けとともに披露。メンバーがターンをするたびにパニエを組み込んだスカート部分がふわりと広がる新衣装は、躍動感を強調しつつ、やわらかさと華やかさを添えました。

 心地いいミディアムテンポの「As is」で会場のムードを変えたあとのMCでは、センターのSORAさんが「(この1年)たくさん悔しい思い、悲しい事を乗り越えてきました。ステージの上から(見ると)こんなにたくさんの人たちが笑顔を送ってくれて、勇気をもらえて、今日無事に開催できて良かったと思っています」とあいさつ。

写真提供:五風

 そして「今、応援してくれる皆さん、これから出会ってくれる方々にもっともっと好きになってもらえるように」と新曲「ツボミのまんま」を披露。さらにこのライブのために準備したスペシャルミックスバージョンの「TWIG」、観客を煽りながら「HAPPY SMILE」と続け、ハイテンションな「マジ?cool!SPEC」で本編を締めました。

写真提供:五風

 アンコールはTシャツ姿で登場。少しリラックスした表情で3曲を披露。約90分、全15曲(OPSE除く)を全力で駆け抜けました。

「空回り」から脱皮

デビューへ向けてレッスンに励むメンバー
振り付けの指導はモニター(左奥)を通したリモートで行われた 撮影:seiji.s

 2021年2月20日。メンバーは1週間後のデビューに向け、福岡市内のスタジオでレッスンに汗を流し、振り合わせの追い込みをしていました。ただコロナ禍の影響で、振りの指導はスタジオに置かれたモニターを通したリモートという環境。振付担当者もメンバーも、どこかもどかしそうだったのが印象的でした。

レッスンを終えた5人。MOMOMIさん(右端)は
撮影時点では「メガネキャラ」ではなかった 撮影:seiji.s

 レッスン後には話を伺いました。高校進学を機に芸能の道を諦めながらもステージへの思いを断ちがたく、事務所の育成グループ(研究生)に復帰しメンバーの座を勝ち取ったMIHARUさんは「歌で勝負したい」と力を込めました。MOMOMIさんは研究生の経験半年でデビューになったことに戸惑いを隠さず、またきちんとインタビューに答えられない自分に悔し涙をこぼしました。

写真提供:五風

 RINKAさんはマジスペを「私がいていい場所」と表現し「得意のダンスで自分を魅(み)せたい」と目を輝かせました。トキヲイキルと兼任となったSORAさんとKOTONEさんはそれぞれ「先輩として恥ずかしくない姿を見せたい」「今までと違う自分を表現したい」と意気込んでいました。

写真提供:五風

 振り合わせの見学とインタビューを通じて、5人の強い思いを感じましたが同時に、グループとしてどこか線が細い印象でした。その後しばらくはライブを拝見しても、「一生懸命だけれど空回りしている」印象を受けていましたが、HIMARIさんが途中加入した後、風向きの変化を感じました。来歴は違えど同じ芸能事務所の「顔見知り」5人に対し、「よそ者」のHIMARIさんがトリックスターの役割を果たし始めているのでしょうか。1周年記念ライブの事前取材の際にも雰囲気の変化を強く感じました。

写真提供:五風

 正式に6人体制となってか5カ月で迎えた今回のライブではデビュー1週間前に抱いた印象はほぼ塗り替えられました。一人一人が一人で立ちながら6人でまとまる、そんなグループに成長するのではないかという期待を抱かせてくれるライブだったのです。

過激発言の裏の愛情 

 1周年記念ライブ前、メンバーはアプリを使った配信でチケット販売が低調だということを話していました。それを踏まえてメンバーもいる事前取材の席上で質問したところ、大沼プロデューサーは「現状は目標の2割(取材日時点)」と率直に話したうえで、一部過激な表現を交えながら危機感をあらわにしました。どこまで本気だったのかは分かりませんが、決してブラフではないというのも伝わりました。

写真提供:五風

 当日の観客数は約150人。結果的に感染対策で入場者を半分程度に制限をしているホールを「満員」にしました。その多くは当日券での入場とのことです。メンバーの配信の影響でしょうか、SNSでは来場を呼び掛けるファンの投稿を数多く目にしました。複数枚のチケットを買ったうえで「無料でチケット差し上げます」とする投稿まであり、その是非はともかく、少なくないファンが「自分ができることで」ライブを後押ししようとしていました。プロデューサーを始めとした運営スタッフとメンバー、そしてファンが危機感を共有したことが結果的に1周年記念ライブの熱気と一体感、さらにメンバーとファンに達成感をもたらした面は否定できません。

写真提供:五風

 ただそれを運営側の計算尽くだとするには違和感があります。
 大沼プロデューサーを取材するようになって4年ほどですが、常々「担当する各グループ・ユニットのメンバーがずっと芸能だけで食べていけるようにしてあげたい」と口にしています。そして実際に知恵を絞り行動し多くの仕組みを取り入れてきました。

 当然、ファンがいてこその芸能活動です。その前提を最大限優先し「ファンを楽しませる」ことに腐心しつつも大沼プロデューサーが最終的に守りたいのはメンバーの未来ではないかと感じます。だからこそ常に高い目標を課しながらも「この道が駄目なら新しい芸能の道を作ってあげたい」と考えていたとしても不思議はないと感じています。

写真提供:五風

 ファンにとっては大沼プロデューサーの時に過激な発言は耳障りかもしれませんが、ファンそれぞれが発言の真意を推し測りながら「自分ができること」を考えるきっかけなのだと思えば少しは気が楽になるかもしれません。どうせ振り回されるのなら、振り回されることまでも楽しんでしまえばストレスも最小限で済むはずです。

2周年へチャンスとピンチ

 来年2月、2周年記念ライブの会場となるDRUM LOGOSのキャパシティは今回の会場DRUM Be-1の約3倍です。もし新型コロナ感染拡大予防としての入場制限が完全に撤廃されればさらにその倍になります。

 発表された時にKOTONEさんとSORAさんが「LOGOS、ちょっと不安」と漏らしたのも自然なことだと思います。とてもハードルが高い目標です。

写真提供:五風

 一方で2周年へ向けての大きなプラス材料があります。
 3月1日、SORAさんが福岡発の人気特撮ヒーロー番組「ドゲンジャーズ」のシリーズ最新作「ドゲンジャーズ~ハイスクール~」にヒロイン、山田真子役で出演することが発表されました。番組は4月10日(日)から九州朝日放送(KBC)、鹿児島放送(KKB)、東京メトロポリタンテレビジョン(TOKYO MX)で放送され、YouTube公式チャンネルでも同時配信されます。

写真提供:五風

 番組を通じてSORAさんファンを増やし、マジスペのライブに誘導することも夢ではありません。しかも首都圏でも放送されることは大きなチャンスになります。俳優としてのSORAさんに注目が集まることでSORAさん個人としての仕事増加も予想されます。今まで以上にマジスペのライブ不参加の可能性も高まります。

 ドゲンジャーズの撮影中、ライブはSORAさん抜きの編成でしたが、やはりパワーダウンを感じざるを得ませんでした。センターのSORAさんが抜けた状態で、どこまでライブパフォーマンスを上げられるか、言い換えれば、メンバーそれぞれがセンターを担うつもりで歌唱力や表現力、さらには存在感を磨いていくことが課題になりそうです。

写真提供:五風

 チャンスはピンチをもたらすかもしれませんが、コロナ禍を背負いながら1年を駆け抜けてきたメンバーは更なる飛躍の原動力にしてくれるはずです。

 ミニアルバムのタイトルは「Specialnova」、「kimberlite」と発表されました。それぞれ、「特別な新星」と「ダイヤモンドの原石が眠る場所」を指しているそうです。

写真提供:五風

 どんなに大きなダイヤの原石でもカットが悪ければ価値は大幅減です。「新星」にしろ「ダイヤの原石」にしろ、どれだけ輝けるかは各メンバーのスキルアップと運営側のプロデュースだけではなく、ファンにも掛かっているのかもしれません。

 ミニアルバム発売に向けて、ライブやリリースイベントが増えることが予想されます。DRUM LOGOSへ向けて走り出した6人は1周年記念ライブで見せたパフォーマンスをベースに、さらにランクアップしたステージへの挑戦を続ける違いありません。そんなステージが楽しくないわけはないのです。

写真提供:五風

ライブの情報などはMAGICAL SPEC公式サイトで。

ライター:しげむら

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