子どもの発達には個人差があるとは言いますが、いざ自分の子どもの事となると、小さな遅れに不安になってしまうことも。私の息子は言葉が遅く、2歳になっても数種類の単語を話すのみ…。相談室に通い、3歳頃からやっと会話になりましたが、そこには新たな問題が!
言葉の発達が遅い息子 2歳半で発達相談へ
息子が初めて話したのは、1歳2カ月の「まんま、まんま」でした。そのときは、ただただ可愛くて喜んだことを覚えています。しかしそこから言葉が増えず…。1歳半で「ママ」「パパ」、2歳前に「ぶうぶ」が言えるようになっただけでした。
不安を覚えた私は2歳半の頃に、息子を言葉の発達相談室に連れて行きます。言語聴覚士さんに診てもらい、だいたい1年ほどの遅れがあると言われました。そこで話しかけ方のコツなどのアドバイスをもらい、親子で療育にも参加しながら、息子の言葉の成長を応援しました。
やっと話し出したと思ったら、事態は思わぬ方向に⁉
専門家の意見を聞き、息子の活動を広めたことで、少しずつ言葉は増えていきました。
「りんご、ある」
「おそと、いく」
まだまだ同月齢の子と比べると遅れていましたが、3歳を過ぎる頃には私の不安な気持ちも薄れ、ゆっくりな発達の息子を受け入れて見守るモードに。
幼稚園入園が近づく頃になると、息子の言葉もいよいよ会話らしくなってきました。けれどそこで私はおかしな事態になっていることに気が付きます。
息子はおやつの時間になると、
「ママ、おやつにしましょう」
「ドーナツがいいわ」
外へ出かけるときには、
「公園行くわよ! ママ」
何かを嫌がる時には、
「いやよ~。いやよ~」と、気づけば息子の話し方が“おねえ言葉”になっていたんです!!
日中はずっと私と二人きりで、私の話す言葉ばかりをシャワーのように聞いていた息子は、そのままトレースして話し出してしまったのです。
私の家に遊びに来た、子どものいない友人には、
「なんで息子に、おねえ言葉をしゃべらせているの!?」と、驚かれてしまうこともありました。
「こんな変な言葉遣いで、幼稚園でいじめられたらどうしよう!」新たな不安の種に、私は息子に話しかけるときは女性言葉は使わないように気を付けますが、これがなかなか難しく…。
「ママ、幼稚園行くわよ!」一度覚えた言葉遣いはなかなか治らないもので、息子は結局、おねえ言葉のまま入園しました。
言葉の発達がゆっくりな男の子の通過点?
心配した入園後の生活でしたが、年少さんは男女の意識もまだあまりないようで、息子の話し方も特に指摘されることもなく、楽しくスタートをきりました。
入園から半年も経つ頃には、自然と息子のおかしなおねえ言葉は治り、年長の今では自分のことを“俺”と呼んでいます。
ある時、公園でお友達と遊んでいると、その子の弟が、
「滑り台に行くわよ~」と、まるで昔の息子のような話し方をしていました。ママさんが不安気な表情で、
「下の子、やっと話し出したと思ったら、女の子みたいな口調で…」と。
私はすかさず、
「うちもそうだったよ!!」と力を込めて言いました。そうすると、他にも驚いた顔で
「息子もおねえ言葉だった…」と話すママが現れて…。
私のママ友調べですが、おねえ言葉は言葉の発達がゆっくりな男の子のあるあるみたいです。
今ではすっかり男口調で、時にはちょっと乱暴な話し方もする息子。当時は心配しましたが、
「公園に行くわよ~」なんて言っていたおねえ言葉期は、可愛くて大切な思い出です。
(ファンファン福岡公式ライター/かがみ 真紀子)