4月1日はエイプリルフールです。あるとき、友達から届いた1通のメッセージ。それは嘘だったわけですが、数年後に思わぬ結果を招くことになるのです…。
エイプリルフールに届いたメッセージ
私には高校からの親友がいます。声が大きくいつもニコニコ笑っていてひょうきんな性格。クラスでいじられ屋さんの友人と、つい授業中にふざけて先生に怒られたことも、今となっては良い思い出です。大人になってもよく飲みに行っていましたが、私が県外に嫁いでから会う回数は減ってしまうことに。その後もLINEで何かと連絡を取るなか、くだらないLINEが奇跡を感じるツールになった出来事です。
ある昼下がり、1歳の息子がお昼寝中に、一通のLINEが。そこにはなんと、その友人から
「妊娠して結婚します」と一言。私はその一言に思わず、息子が起きるのではないかと言わんばかりの声量で
「えぇぇ! まじか!」と声を張り上げてしまいました。
嬉しさのあまり友人に電話を掛けましたが、昼休憩が終わったようで、その時は電話には出ませんでした。見ないと分かっていても、嬉しくて何度も「おめでとう!」と送ってしまいました。
当時、LINEの機能で、特定の言葉に反応して背景が変わる仕組みがありました。私が送った「おめでとう」の言葉に反応して桜が散っています。それを見て「そういえばもう4月か。良い春の訪れだなぁ~」と物思いにふけったのを覚えています。
喜びも束の間! 今日は何の日?
その日の夜、ソワソワしながら携帯を見ると、友人から返信が!
「えっと… なんかまじごめん、今日4月1日ですぜ」
そこで自分の鈍感さに気が付くのでした。そう、その日は桜も咲く季節、“4月1日”でした。
友人は、私がすぐにエイプリルフールだと気付いて、突っ込んでくれると思いメッセージを入れたそうです。自分の鈍感さに顔から火が出そうでした。
そんな出来事から数年後、友人は3年の遠距離恋愛を経て、結婚しました。結婚式から数カ月後のこと、突然
「子どもが欲しいんだけど、私が母親になれるのかな?」と相談のLINEが入りました。友人はとても責任感が強く、真面目な性格。小学校の先生という職業柄、様々な子ども達を目にしているので、余計にそう感じたということ。
悩んだ末、最終的には旦那さんとも話し合って
「子どもが欲しい!」という話になったと教えてくれました。
しかし、話はここで終わりません。後日
「多嚢胞性卵巣症候群(たのうほうせいらんそうしょうこうぐん)だから子どもは無理かもしれない…」とメッセージが。
「エイプリルフールで妊娠したなんて軽く言ったのに~」と笑っていましたが、落ち込んでいるのは明白でした。その後不妊治療に励んでいましたが、中々授かれず諦めかけていた春のこと…。
再び4月1日に届いたメッセージ
そこには
「妊娠しました」とのLINEメッセージが。前回の失敗を踏まえて、テンションは抑えつつ聞いてみると、本当に妊娠しているとのこと! 直ぐに言いたかったそうですが、あえて4月1日まで待ったと言われました。
まさかの妊娠報告に心が躍り、すぐに電話を掛けて話しましたが、友人はなんだか照れ臭そうに
「もう無理かもと思っていたところでの妊娠で、まだ信じられない」と言っていたのが印象的でした。その年のエイプリルフールは、何だか春風が後押ししてくれたようで、とても気持ちの良いものとなりました。
その後友人は、無事に元気な女の子を出産。出産前に
「母親になれない」と言っていたのが嘘のように、久々のテレビ電話越しに見た彼女は、完全に母の顔をしていました。コロナ禍が続き、まだ会いに行けていませんが、早く直接会いに行きたいなと楽しみにしています。
(ファンファン福岡公式ライター / ハッピーポイフル)