息子の小学校入学に合わせ新築した家に引っ越して間もない頃、「子どもが石を投げられ傘を壊された」とママ友が怒鳴り込んできました。散々ののしられ、弁償までしたのに… 実はすべて息子の友達がついた嘘だったのです!?
怒鳴り込んできたママ友
それは息子Aの小学校入学にあわせ、新居に引っ越して2カ月ほど経った頃のことです。放課後、近所に住む同級生のS君が遊びに来ました。
部屋で遊んだ後、帰る約束の時間に家を送り出したのですが、別れが惜しいのか、外からまだ楽しそうな声が聞こえます。見ると、道路に出たS君が傘を広げ
「ここに何か投げて~」と庭にいる息子に催促している様子。私は
「もう終わりにしようね」と声を掛け、息子を家に入れました。
その夜、21時過ぎに玄関チャイムが鳴るので、不審に思いながらインターホンをのぞくとS君ママが。慌てて玄関に出ると
「SがA君に石を投げられ傘を壊して帰ってきました」と震えながら訴えはじたのです!
息子が石を投げた?!
S君ママによると、S君の傘が壊れていたので理由を聞くと
「Aに石を投げられて壊れた。やめてと言ってもやめてくれなかった」と言ったとのこと。家の周りを見れば、工事の名残の大きな石が転がっている…。
「こんな石を投げられたら大ケガをする」と、大人のこぶし大の石を突き付けてきました。
しかし、私には息子が石を投げつけたり、S君が
「やめて」と嫌がったりするのを見た記憶がありません。ありのままを話すも、S君ママは
「うちの子が嘘をついていると言うんですか!? そんなしつけはしていません!」ときっぱり。
違和感を覚えた私は、寝ようとしていた息子を呼んで
「石を投げたの?」と聞きますが、息子は首を振ります。
「何か誤解があるのでは?」と言うと、S君ママは
「加害者が嘘をついても、被害者は嘘をつきません!」と主張。私は翌日息子と話すことを約束し、その日は帰ってもらいました。
話が大げさになってる!
翌朝、息子と話しましたが、やはりS君ママの話には矛盾があります。私は新しい傘を買って、夕方、息子とS君の家を訪問。心配をかけたお詫びに傘を渡し、もう一度釈明をしました。
しかし、S君ママは
「もう一度話を聞いたら、逃げるSをA君が追いかけてきたというじゃありませんか!」と、より大げさになった話を始めたのです。嘘だ…。
息子は庭から一歩も出ていません。
その時、階段の陰にニヤニヤと笑うS君が見えました。「やっぱり。傘を壊した言い訳にS君が嘘をついたんだ…」私は確信しました。ののしられるのは心外でしたが、今は何を言っても無駄。これからも仲良くしてほしいとだけ言い置いて、引き揚げました。帰宅後、私と息子は悔しさのあまり声をあげて泣きました…。
トラブルを繰り返した親子のその後…
引っ越し早々、こんなことで悪いレッテルを貼られる訳にはいかない! 私は、以後S君親子の悪口は言わないと決意し、ママ友たちに事の次第を正直に話しました。ママ友たちは、心配しないでと励ましてくれ、S君親子とは自然と疎遠になっていきました。
ところが、しばらくするとS君親子の悪い評判が立ちはじめました。S君が友達とトラブルを起こすたび、S君ママはわが子の嘘を真に受け、けっして非を認めないのだとか! 結局、6年生に上がる前にS君一家は誰にも告げず転居していったのです。
私の胸につかえていた件も、ようやく終わった気がしました。子どもは小さな嘘をつくもの。子育てには少しの想像力と寛容さが必要、と考えさせられた出来事です。
(ファンファン福岡公式ライター / 繭子)