現在小学2年生の息子が幼稚園に通っていた時の話です。通い始めの頃は、なかなか幼稚園に慣れずに1人でポツンと遊んでいましたが、だんだんと友達を見つけて一緒に楽しく遊ぶようになりました。よく見ていると、気が付いたらいつも女の子に囲まれているようでした。その理由とは…?
イチョウの葉のブーケとビニールのドレスで結婚式ごっこ
幼稚園の近くの公園には大きなイチョウの木がありました。黄色く色づき落葉すると、子どもたちはその葉をたくさん集めて、かわいらしいブーケを作り、うれしそうにしていました。
息子のクラスでは、そのイチョウのブーケを持って結婚式ごっこをするのがブームになっていました。女の子は結婚式でブーケを使うことを知っているのですね。いろんな落ち葉や木の実で飾り付けたブーケ、ドレス、ベールを作り、花嫁さんをしている姿がなんともかわいらしいんです。
息子は「ブーケってなに?」という感じでしたが、積極的な女の子に言われるがまま結婚式ごっこの相手を頼まれているようでした。
女の子は年少さんでもしっかり女の子なんだなあ… と感心しきりです。何も知らずにのんびりしている息子とは違い、シャキシャキと式の準備を進める女の子たちの頼もしいこと。
ほっこりするような思い出には違いないのですが、うっすら将来の姿を見ているようで、ほほ笑ましい気持ちの中にも複雑な母心が混じったりもしました。
気配り完璧なエスコートを見せたお店屋さんごっこ
学年が上がると、クラス替えがあるのですが、息子は相変わらず4、5人の女の子に囲まれて遊んでいました。
家での甘えん坊ぶりからは、幼稚園でのしっかり者のお兄さん姿が想像できませんでしたが、どうやら幼稚園で息子は「優しいお兄ちゃん」的な立場だったらしいのです。同学年の他の子よりも頭一つ背が高い息子を、本当に年上だと思っている子もいたようで、すっかり頼りにされる存在だったそうなのです。
そんな中、「うちの息子すごいじゃん」とひそかに感じたのは、幼稚園のお店屋さんごっこの行事でした。
お店屋さんごっこは、全クラスで子どもたちが考えたさまざまな店がオープンして、幼稚園通貨で買い物ができる、子どもたちがとても楽しみにしている行事です。息子は何日も前から
「何を買おうかな」
「たくさん売れるかな」と楽しみにしていました。
親も買い物できるので、当日は3歳年下の娘を連れて行きました。すると息子はいつも通り女の子たちに誘われて、あっちこっちと飛び回っている様子。
女の子たちに頼まれると、希望を聞いて嫌な顔をせずに一緒に店に行って、ドレスを買うときには
「こっちの方がかわいいよ!」と、さりげなくアドバイス。試着を待っている間には、各クラスのパンフレットを見ながら、それぞれの行きたい店を探しています。わが息子ながら、達者なエスコート! と感心する1日になりました。
さらに、その忙しいエスコートの合間を縫って、妹には限りある幼稚園通貨でマカロンや指輪を買い、自分の店を案内するなど、本当にしっかりした優しいお兄ちゃんぶりを発揮していました。
小学生になっても変わらない優しさ
お兄ちゃん的な人気で女の子に囲まれた幼稚園時代を過ごした息子。小学生になっても女の子とばかり遊んでいたら、からかわれたりしないだろうか… と不安に思っていたのですが、心配無用でした。
今では学校から帰ってくるなり外に飛び出し、男女混じってたくさんの友達と遊ぶようになりました。
女の子の友達も多いので、今年のバレンタインは大量のチョコレートをもらい、ホクホク顔を見せていました。相変わらず心の優しい子なので、そのまま成長してほしいと願っています。
(ファンファン福岡公式ライター/si-bel)