これは私が高校3年生の時に起こった、恥ずかしい体験です。行事が大好きな私にとって、体育祭は楽しい思い出となるはずが、なんと一生忘れられない苦い思い出となりました。まさか全校生徒から注目され、知らない後輩から「ターボ先輩」と呼ばれる日が来るなんて…。
高校生活最後の体育祭!
私は当時女子バスケットボール部に所属していたのですが、顧問の先生がとても厳しい女性でした。全国大会にも出場させた経験がある有名な先生で、とにかく負けず嫌いの人。そんな性格は体育祭でも遺憾なく発揮されます。「部活動対抗リレー」に命を懸けていて、1位にならないとグラウンド100周が毎年のルールでした。
高校3年生の時、私は部活動対抗リレーの選抜メンバーに選ばれました。放課後には各部活の選抜メンバーが集まり、予行演習が行われます。予選でも本番さながらの気合で、普段は優しい友達もなんだかギラギラしているように見えます。私は緊張しいにも関わらず、第1走者を顧問の先生から命じられてプレッシャーに押しつぶされそうでした。結果は3位でしたが、特に顧問の先生に咎められる事もなく安堵。
そして、迎えた体育祭本番。部活動対抗リレーはユニフォームを着て走るため、毎年盛り上がりをみせる花形競技です。最後から2番目のプログラムでした。終盤なので、朝一と昼休憩には顧問の先生からリレーメンバーが呼ばれ、バトンの指導や喝を入れられます。小心者の私は、時間が近付くにつれて益々気が重くなる一方…。
午後の競技も次々と終わる中いよいよ
「部活動対抗リレーに出る方は待機場所まで移動して下さい」とのアナウンスが。待機場所まで恐る恐る移動しました。
位置について、スタート?!
いざ本番! 皆が一斉にスタートラインに立ちます。そこで聞こえたピストルの音。私は風を切りながら走り出します。すると、後ろから何か声が聞こえます。しかし、予選では走者の中で3位だった私が、なんと隣に誰もいない独走状態になっていたのです。
1位という爽快感から、何と言っているかなんて全く聞こえません。しかし、残り半分に差し掛かった所で余裕が出て来て後ろをチラッと見るとテニス部の後輩が
「先輩! フライング、フライング! やり直しです!」とものすごい形相で追いかけて来てくれていました。そう。私はフライングした挙句、それに気が付かず半分も走り切ってしまったのでした。テニス部の後輩を巻き込んでまで…。後半走者の部員が頑張ってくれたお陰で、バスケ部が1位になりペナルティは逃れましたが、恥ずかしくてたまりませんでした。
体育祭の後も恥ずかしい思い出!
体育祭が終わって数日後。その日は体育館の半面をバトミントン部が使っていました。最初は軽い走り込みの練習から入るのですが、反対側で練習しているバトミントン部員の子が
「あ! あの先頭で走っている人、体育祭のリレーの!」と話している声が聞こえました。もう1人の子が
「本当だ! ターボ先輩だ!!」と笑いながら話していました。
その後輩達と面識はありませんでしたが、盛大にフライングして全速力で加速した結果、ターボ先輩と呼ばれている事に驚き! さらに先生何人かからも
「部対抗リレー速かったね~」とフライングの事をいじられて恥かしかった感覚は昨日の事のように思い出せます…。
楽しい思い出となるはずだった体育祭ですが、未だに部員に会うと笑われる恥ずかしい思い出となりました。
(ファンファン福岡公式ライター / ハッピーポイフル)