保育園に子どもが通っていると必ず起こるのが、登園拒否。親からすると困った行動ですが、その奥には子どもの育ちの芽が隠されているようです。
ある日突然訪れたわが子の登園拒否に困惑
私には、娘が2人います。長女は忘れ物が多かったり、準備が遅かったりと困った面もありますが、おっとりとしていて誰とでも仲良くなれるタイプ。度胸のようなものもあり、人前に出るのも苦にしません。
次女は、しっかりもので目鼻が利くので何事もそつなくこなし、運動神経もいいので人気者。先生たちからも評価される学級委員タイプ。ただ、小心者の内弁慶なので時に親の後ろに隠れるようなところもあります。そんな2人なので、成長過程もそれぞれ。しかし、共通して表れたのが「登園拒否」。突然のことで非常に困り、どうしたら良いのかわからず悩みました。
拒否の理由もそれぞれ 百戦錬磨の先生たちの見立てに感銘を受ける
わが家の「それ」は、2人同時にやってきました。長女4歳・次女2歳。
「保育園行かない!!」
「お母さん行かないでー!」と泣くわが子を半ば先生方に押し付けて急ぐ毎日。それでも明るく
「大丈夫ですよ」と励ましてくれる先生たちに
「申し訳ありません」と謝ることが心の負担にもなっていました。
そんなある日、夫が先生たちからこんなことを言われて帰ってきました。
「長女ちゃんのクラスで“仲間はずれ”が流行っています。でも、4・5歳の成長過程で必ず通る道だから心配しないでくださいね。とは言っても本人は相当こたえているから、支えてあげてください」
「次女ちゃんは、“自我の発達”の時期だと思います。お母さんとお父さんが『自分と違う』ということがわかってきて不安なんです。朝の別れが大変そうですが、ルーティーンを決めてキッパリ別れると楽になると思いますよ」
そして、最後に園長先生からは、
「担任からお話があったかしら。2人ともね、朝1回私のところにくるのよ。でもね、事務所で1冊絵本を読んであげるとニコニコ部屋に戻っていくわ。奥さまも大変だと思うけど大丈夫って伝えてあげてね。当たり前の姿だから」と。
保育園の先生たちの言葉を信じて、私たち夫婦がしたこと
「当たり前の姿だから大丈夫」先生方からもらったこの言葉がどんなに心強かったか。しかも、参っている私に直接伝えるのではなく夫を通してくれる優しさ。日頃から保育園を信頼していた私たちは、気を取り直して自分たちにできることを始めました。
まず長女には、
「あなたはあなたのままで大丈夫」
「嫌なことを言ってくる子は、たぶんあなたと一緒に遊びたいけどうまく言えないのよ」と伝え、彼女の話をたくさん聞きました。次女には、
「お母さん、お仕事好きなのよね。楽しいの。でも、あなたといるのも楽しい。一緒にいる時はたくさん遊ぼうね」と話し、休日はたくさん外で遊ぶようにしました。すると、2人とも2週間ほどで登園拒否が落ち着きました。効果があったのかわかりませんが、私の心持ちが楽だったことは事実です。
あの時のおかげ? それぞれ特徴的に育っています
その後、長女は中学で本当のいじめに遭いそうになった時も
「あの子、私のこと気になってるみたい」と自ら歩み寄り、いじめっ子と仲良くなっていました。次女は、自分のやりたいことに一直線。早くから親の知らないコミュニティで、やりたいことに打ち込んでいました。2人とも精神的な自立が早く頼もしかったです。夫と今でも
「あの保育園は、大成功だったね」と話しています。
(ファンファン福岡公式ライター/Hoshi.ma.k.a東京ビッグブッダ)