「私はあなたのお母さんじゃない」料理は作ってもらって当たり前の夫

 買い物中に、何やらレシピを熟読している夫。そんな夫の姿を見るのは初めてだったので「わぁ、珍しい! もしかして作ってくれる?」と内心、淡い期待を抱いた私。しかし夫が発したのは、期待を打ち砕く要望でした。

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結婚後料理をしなくなった夫

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 夫は結婚する前、長年ひとり暮らしだったため、料理ができて一緒に台所に立ったこともありました。それが結婚後、私が料理をするのが当たり前になり、夫が台所に立つことは皆無に。結婚後、
 「夫くんもたまには何か作ってよー」とお願いしてみたところ、
 「え~?! だって嫁ちゃんの方がうまく作れるし!」と拒否されたのを最後に、私もお願いするのを諦めいつしか料理は私の担当になっていました。

いつものスーパーで

 ある日、家族で近所のスーパーへ。行き慣れたお店で、入口には旬の食材を紹介したレシピのチラシが置いてあります。もう数年通っていますが、夫がそのチラシを手に取ったことや目に留めた姿を一度も見たことはありませんでした。

 買い物中、気がつくと夫の姿がありません。見ると売り場の後ろを歩き、手には何かの紙が握られています。
 「ん? 何しているんだろう」こちらに来るのを待ちながら夫の様子を観察します。「あ。何か見ながら歩いている」夫が押しているベビーカーの息子が、ぐずぐずし始めているのにも気付かず、自分の世界に入っています。「あれ、入口のチラシじゃん」近づくにつれ、私からも夫が読んでいる紙の正体が見えてきました。

 夫が何かを見ると言えば普段はスマホばかりなので、チラシに集中するなんてあり得ません。夫は、私が見ていることにも気付かず、熱心に読みふけっています。「へー珍しい。なんであんなに集中しているんだろう。母の日も近いし、もしかして何か作ってくれるのかな」と嬉しくなり期待を込めて夫に聞いてみました。

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 「ねぇ、何見ているの?」
 「これ? アクアパッツァっていうの? 美味しそうだから作ってもらおうと思って!」喜々とした声の夫。私の期待とは裏腹な夫の発言に
 「ああ、そうだった。この人が台所に立つなんてあり得ないんだった。何を期待しちゃったんだろう…」と一抹の虚しさを感じた私。

 「そんなの◯◯がぐずっているのに、今、必要?!」と怒り気味に返しました。楽天家な夫は意にも介さず、
 「ふ~ん。じゃあまた今度、時間あるときに作ってよ」と料理のリクエストを念押しし、会話は終了。仕事・家事・育児の3本立てに日々奔走している私に、手の込んだ料理をさせようとする夫への怒りが湧いてきましたが、ここは店内。人目を気にしてグッと堪えました。

この日の出来事の教訓

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 もうすぐ結婚生活10年になる私たち。思い起こせば夫が台所に立ったのは、数回程度。
昨年、子どものノロウィルスが移って私だけ寝込んでいるときも、
 「俺の夕飯は気にしなくていいよ、買っていくから」と自分の食事だけ確保し、満足げに帰宅した夫。
 「子どもたちの分は?!」とつらい身体にムチを打ち、結局私が子どもたちの食事を準備するハメになりました。

 後日、怒りながら呆れたことを伝える私に対し夫は、自分は咎められるどころか感謝されるべきと思っており、「自分のご飯は自分で確保して協力的な姿勢を見せたのに、なぜ私に怒られるのか分からない!」と、盛大なケンカに発展しました。

 日頃、料理など「食」に関する部分は完全に私の仕事だと思っている人です。「料理は妻だけの役割ではないんだよ」と意識を変えてもらい、息子の手本となってもらうべく、密かに夫改造計画を決意したのでした。

(ファンファン福岡公式ライター/西本結喜)

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