妻が妻が必死で苦痛に耐えながら出産しようとしているときの旦那の行動、あなたはどこまで許せますか? 今でも許せない旦那のまさかの言動、ぜひご覧ください。
いよいよ出産! ツラさが増す中で聞こえてきた音とは?
2人目の出産は、陣痛から回復をひとつの部屋で行うLDR(エルディーアール)で、家族立ち会い出産。穏やかな出産のため、ソフロロジー式を独学して出産に備えました。陣痛が始まった日の夜、主人の運転で病院へ。LDR部屋で家族と駆け付けた実母の4人で待機することに。
部屋に入ると、中央に分娩台やベッド、奥にカーテンで仕切られた部屋があり、テーブルと長女が寝られそうな2つのソファーがありました。
長女はお絵描きや読書。主人はソファーで横になりスマホでゲームしながら、すぐに大きなイビキをかき始めました。出産は、お腹の子に会える喜びと苦痛と不安な心が押し寄せます。私が懸命に乗り越える中、長女よりも先に爆睡する主人が信じられませんでした。
他人事? いつまで夢みているの?
私がこの時の出産でツラかったのが「いきみ逃し」です。いきみ逃しは、お腹の激痛と、すぐにでも出そうな便意を気力で抑え込み続けるようなもの。数分ごとの発作を何十時間も耐え続けるのです。用意された氷枕2つを握りつぶすほどのツラさでした。
深夜1時ごろ。母がずっと腰をさすり飲み物を飲ませてくれたので
「少し休憩して」と伝えたとき、長女が
「のど渇いた」と起床。
「ママは動けないから、パパと飲み物を買ってね」と、長女に言いました。
長女が
「パパおきて!」と主人を起こすと
「なに!?」と、かなり不機嫌。長女が
「飲み物買いたい」と伝えると
「どこにあるか知らん!」と、なぜかキレ気味。私と母は呆れたように顔を見合わせました。私は
「病院の人に聞いて」とだけ絞り出すように伝えると、不機嫌な様子で買いにいきました。
その後、長女はいつもと違う寝る場所と私の様子になかなか寝付けず、母がなだめる横でまたもや主人は爆睡。看護師が交代で様子を見にきてくれたのですが、ずっと大イビキで寝ている主人を見て
「ご主人ぐっすりね」と苦笑いの一連の反応が恥ずかしいやら情けないやら…。
翌朝、ついに破水
主人は
「そろそろ、産まれるね」と、爽やかに起床。一晩中のいきみ逃しで体力が限界の中、元気な産声が! 長女が駆け寄り、赤ちゃんに
「お姉ちゃんだよ!」と嬉しそうに話しかけました。
私と長女を夜通し世話した母も、ホッとした表情。苦痛に耐える妻の横で寝続けた主人も笑顔です。嬉しそうな長女と産まれたてのわが子を胸に、幸せでした。
少し落ち着いた頃、私の部屋の担当看護師2人が
「隣のご主人、ずっと奥さんのお世話して、良いご主人ね〜」と、明らかに主人を意識した会話を始めました。おそらく、主人をいさめる意味が込められていたと思います。
当の本人は、どこ吹く風。終始、他人事で、虚しさだけが残りました。私は、その日を境に
「自分のことは自分でしろ!」と、主人を突き放すようになりました。主人は自分が引き起こしたとは気づかないまま、単純に「母は強し」と思っているだけ。
私の母は温かく見守るタイプのため何も言いません。ただ、産後すぐ、家事育児をひとりで無理しているのではと心配し、私の体調を気遣う連絡は激増したのでした。
あれから数年、主人も家族を大切にしています。ただ、いくら疲れていたとはいえあの時の主人の言動を私は今でも許せません。
(ファンファン福岡公式ライター/なちりん)