秘書の業務として大切なことの一つに来客応対があります。上司よりも先にお客様にお会いすることになりますので、お客様の状態をいち早く察してかゆいところに手が届く応対が求められます。今回は上級秘書士の資格を持っている私、miichikinが詳しく来客時の基本マナーをご紹介したいと思います。※諸説あります
お客様が来社したとき
こちらからお客様にいち早く気づき立ち上がりましょう。近くに来たら笑顔で
「こんにちは」と声をかけてお辞儀をしましょう。それからお客様の会社名と名前を聞きます。お客様のほうから名乗り出てくれる場合もありますし、こちらから声をかける場合もあります。
私は人の顔と名前を覚えるのが得意なので一度でも会ったことがある人なら
「○○会社の○○様ですね、お待ちしておりました(いつもお世話になっております)」とこちらから率先して声をかけるようにしていました。
「一度あいさつを交わしただけなのに覚えていてくれてありがとう」と直接声をかけられる方もいますし、上司に間接的に
「お客様が喜んでいたよ」とお褒めの言葉を貰うこともあります。上司よりも先に秘書がお客様に会うパターンが多いので、会社の顔と言っても過言ではないでしょう。
アポイントがあるお客様
事前にどこの会社のだれが来るか確認しておき、お客様が来たらスムーズに案内ができるようにしましょう。チームの場合は誰が担当するかということも決めておくと直前に慌てることがないでしょう。
アポイントがないお客様
誰に用事があるのか伺い、上司につなぐ。上司が不在の場合や多忙で応対できない場合は改めてアポイントを取ってもらうか、代理の者で対応できるかお客様に尋ねます。
お茶やお菓子を出すとき
お客様にお茶とお菓子を出すときは、お茶を先に出します。一番上座に座っている方から順番に、お客様の右側からテーブルの上にそっと置きます。お椀の柄がある時はお客様に一番きれいに見える位置を意識することが大切です。お菓子も出すことになった場合はお茶の次にお菓子を置きます。お客様から見てお菓子が左側に来るように並べてください。
お土産を貰ったとき
お客様からお土産を貰ったときは、基本的には貰ったお菓子をお客様に出すことは失礼にあたります。例外としてとても懇意にしている相手の場合や、気心の知れている仲である場合でのみ「お持たせですが」という言葉とともに出すこともあります。
ケーキや生菓子のような日持ちしないものや、すぐに食べるために持ってきたとわかるようなものの時は、一緒に食べたいというお客様の気持ちをありがたく受け取るのが礼儀になります。貰ったものはいったん引き取って中身を確認し、相手に失礼のない対応をすることが重要です。
見送りをするとき
エレベーターで見送り
お客様にお礼を言い、エレベーターのドアが完全にしまってお客様から見えなくなるまでお辞儀をして待ちましょう。急いでいても慌てて頭を上げないようにしてください。
玄関先で見送り
玄関までの道のりが複雑な時や、距離がある時は玄関先まで送るのがマナーです。何度も訪れているお客様で見送りを断られても一度は案内を申し出ましょう。玄関先ではお客様が見えなくなるまでお辞儀をして待ちます。
相手が振り返る場合もありますので目が合ってしまうと気まずい思いをすることもあります。私の場合はもう見えなくなったと思ってから3秒間はそのまま待つようにしていました。
車を見送り
車の前まで案内した後、車の前で挨拶をしてお客様が車に乗り込むのを待ちます。その後車が出発したら見えなくなるまでお辞儀をして見送ります。歩いて立ち去るよりも車の走る音がするのでお辞儀した頭を上げるタイミングがわかりやすいと思います。
お辞儀について
秘書はすべてのシーンのお辞儀について最敬礼と呼ばれるお辞儀の中でも最も丁寧なお辞儀をします。両手は体の前で右手を前にして重ね、45度の角度を目安にゆっくりと頭を下げます。あまり背中が丸くなりすぎるときれいに見えないので、背中を伸ばしたままゆっくりと前に体を倒すようにすると、とても美しいお辞儀になります。
来客マナーの基本いかがだったでしょうか
お客様と上司よりも先に接することが多い秘書は、会社の看板を背負っているといっても過言ではありません。来客時のマナーは基本に忠実に、お客様に嫌な印象を与えないように丁寧に対応することが大切です。何度も演習を重ねて自信をもってお客様に接してくださいね。
(ファンファン福岡公式ライター/miichikin)