毎年お盆は義実家へ帰省するのですが… 帰省の時期になると私の気分はどん底でした。その理由は、義母の「嫁は台所に立ち続けるべき」という恐ろしいルールがあること。そんな義実家への帰省で、とうとう私の我慢が限界に達したのです。
敵対心むき出しの義母
義母は性格がキツく、ズバズバとものを言うタイプです。そんな義母は、愛する息子を取られたと思っているのか… 結婚当初から私に敵対心むき出しでした。お盆に帰省すると、いつも「食事を作る・運ぶ・下げる」のほぼすべてを私に押し付ける義母。義母は一切手伝わず、みんなと食事に夢中です。
私がやっとテーブルについても、食事は残り物だけ…。田舎育ちの夫や義父も「嫁はこれが当たり前」と思っていたようですし、私自身も嫌な顔を見せず笑顔で我慢してきました。そして迎えた、恒例のお盆の帰省。心して挑んだのですが、義母のありえない態度に我慢の限界がきたのです。
嫁は台所を離れるな!
義実家に着くと、さっそく義母に食事の支度を頼まれました。みんなが楽しそうに食事をする中、例年どおり一人でバタバタと働く私。義母からは
「ビールまだ?」
「お箸が足りない」と、睨むようにこき使われる始末。夫や義父、子どもたちは悪気なく楽しそうに過ごしています。
それでも台所で食事の支度していたのですが、猛暑日で台所にクーラーの冷気が来ず、火を使うと暑くて気分が悪くなったのです。頭がクラクラしたので、義母に思い切って
「扇風機を借りたいのですが…」と言うと、
「扇風機は他で使ってるから」と、貸してもらえません。
一段落するまでなんとか頑張り、暑い台所を離れてみんながいる涼しい部屋へ行きました。すると義母が
「まだ出てないお料理あるでしょ?」と、私を追い返したのです。情けなさと、体調の悪さで私は台所でしゃがんでいました。しばらくすると義母が来て、真顔で私に恐ろしい一言を放ったのです。その言葉は、
「嫁なんだから台所を離れないで」でした。
義実家を飛び出した私
体調が悪くても、食事がとれなくても、無理やり台所へ押し込もうとする義母。今まで散々我慢をしてきましたが、私の中で限界がきてしまったのです。気づけば義母の前で、無言でエプロンを投げ捨て台所を飛び出していました。義母は慌てる様子もなく、追いかけてもきません。
自分の車に乗り込み、しばらく走らせたコンビニの駐車場で大声で泣きました。すると夫から
「どこにいるの?」と電話があり、泣きながら今までの義母の仕打ちを話すと
「全然気づかなくてごめん…」と、謝ってくれました。その後すぐに夫が義母にキツく叱ってくれたようですが、車で義実家へ戻ると義母は私を睨みつけるように
「ごめんね、気が利かなくて」と捨て台詞を吐き、別室へ入っていったのです。
その態度で和解なんてできるはずがなく、私も無表情で返事すらしませんでした。もちろん今でも、義母からの正式な謝罪はありません。険悪な雰囲気を目の当たりにした夫は、その後「お盆だし実家へ行こう」と言わなくなり、今は子どもと夫だけで帰省をしてもらっています。
夫いわく、お盆は義母が一人でイライラしながら食事の支度に追われているんだそう。その間私は、友人とプチ旅行へ行き思いっきり羽を伸ばす日々。私にとって、今ではお盆が最高の息抜きになっています。
(ファンファン福岡公式ライター/餅キナコ)