若くして孫を持つおばあちゃんのことを、美婆女(びばじょ)というそうです。 先日、幼稚園の祖父母参観で目撃した、友人の姑は、若々しい美婆女でしたが、強烈な人でした。いったい何をしたのでしょう・・・。
参観日に強烈な美婆女が!
ある日、娘の通う幼稚園で、祖父母参観が開催されました。孫達が幼稚園でどんな風に過ごしているのか、楽しみにやってきたお爺ちゃん、お婆ちゃんの中に、ひときわ若くて派手な人がいました。
見た目は40代。ゆるやかな巻き髪に、ツイードのジャケットとタイトスカート。園ママの中には、40代の人も多いので、
「あれ? 誰のママかしら?」と気になっていたら、同じクラスの園ママAさんが
「お義母さん〜 孫ちゃんの教室はこっちです」と走り寄りました。20代のAさんとほとんど変わらないスタイルに驚き。
その後、祖父母参観は和やかに進み、子そも達はお昼ごはん、大人は帰り支度を始めた時に、事件が起こりました。
先生にケンカを売る?!
「先生、うちの孫ちゃんが、何度も手をあげていたのに、当ててくださらないのは何故なんですか? 他のお子さんで2回も当たっている子がいたじゃないですか。ひいきですか?!」そう言って、先生に詰め寄る女性が・・・ Aさんの姑でした。
姑と先生の間で、Aさんが
「お義母さん、こんなに沢山の生徒さんがいるんだから、今日当たらなくても当然ですよ。やめてください」と必死になだめていましたが、姑は聞く耳なし。
「私は今日、孫ちゃんの活躍を見たくて、名古屋から来てるんですよ。それなのに一度も孫ちゃんを当ててくださらないなんて、交通費を返して欲しいくらいです!」と怒っています。
結局、先生が頭をさげて謝罪するまで、姑の抗議は続きました。さらに姑の怒りは、矛先を変え、Aさんに向かいます。
「だいたいあなたが、『幼稚園で過ごす孫ちゃんの様子を見られるのは、今回の参観日くらいで、貴重な機会ですよ』って言うから来てみたけれど、私はお婆ちゃん扱いされるのはごめんです。それに来月は運動会があるっていうじゃないですか!ちっとも孫ちゃんが当ててもらえない祖父母参観なんかより、運動会で一等賞をとる孫ちゃんの方がずっと見たいですよ!」とプリプリ怒っています。
ちなみに幼稚園の園庭は狭いので、運動会に参加できる保護者は、パパとママ限定で、祖父母は遠慮してもらっているのです。それゆえの祖父母参観だったのも知らず、姑は怒り心頭! 半分泣きだしそうなAさんが、姑をなだめようと、運動会に祖父母は参加できないのだと説明すると、話を遮るように、姑はきっぱり言い切りました。
嫁に向かってまさかの一言
「じゃあ私があなたのかわりに運動会に参加します! 私はお婆ちゃんなんて歳じゃないし、十分ママに見えるから大丈夫よ。あなたはお弁当だけ作って、届けてくれたらいいから」
たしかに、好好爺の祖父母達の中では、飛び抜けて若く見える姑ですが、20代のママに引けを取らないとは図々しい! しかも、Aさんにとって、子どもが幼稚園に入園してはじめての運動会。 先日も、運動会のために、ビデオカメラを新調したのだと、楽しそうに話していたAさんのことを思い出すと、不憫で仕方ありません。
結局、姑は、その場にいた園ママ達に
「運動会に祖父母を呼ばないなんて、聞いたことがない!」と幼稚園への不平不満をもらしながら、帰って行きました。
その日の夕方、同じクラスの園ママ全員が参加するグループLINEに、驚愕のメッセージが表示されました。
「●●さん(姑のLINE名)が参加しました。」 誰かが、姑をグループLINEに招待してしまったようです。 その日の騒動を一部始終目撃していたママ達は
「Aの姑さん、LINEにも参加してる・・・ この様子じゃ運動会も強引に来るんじゃないの?」と、気弱なAさんを心配して、姑の運動会参加を妨害しようと、アイディアを出し合っています。
運動会の日時を一週間後ろにずらして伝える。 台風で運動会が中止になったと伝える。 幼稚園から、祖父母の参加禁止を、あらためて伝えてもらう。 運動会は二週間後。 果たして、姑の襲来はあるのでしょうか。
(ファンファン福岡一般ライター)