「男女の友情は成立するか」というのはよくに議論になるテーマですね。私はこれまでずっと「成立する」と思っていたのですが、あることがきっかけで男友達によからぬ妄想を抱いてしまいました。本人には未だに内緒なのですが、ここでシェアしたいと思います!
お互い恋愛対象から外れている男女
結婚する前はテニスとスノボに明け暮れていた私。その日もいつものテニス仲間と4人でスノボに行く予定だったのですが、ひとりが仕事でキャンセル、そしてもうひとりも体調不良でドタキャン。残ったのは私とSさんでした。
Sさんとは友人を通じて数年前に知り合って以来、頻繁にテニスをしたり、一緒に食事や飲みに行ったりする仲でしたが、2人だけで行動することは殆どありませんでした。
Sさんは爽やかなイケメンなのですが私より女子力が高め。スイーツのお店にやたら詳しく、料理も上手で、手作りの出汁を常に冷蔵庫にストックしているほどです。男性と言うよりは同性と同じような感覚で接していましたし、Sさんも私の顔が
「昔ひどい別れ方をした元カノに似ているから嫌だ」と言っていたのでお互い恋愛対象から外れていました。そのため、男女2人きりでしたがスノボが決行となったのです。
暗い夜の山道と妄想の始まり
早朝から滑るため、深夜にSさんが私の家に迎えに来てくれました。車内で食べるお菓子とコーヒーの入ったバッグを持って助手席に座る私は(なんかデートみたいで調子が狂うなぁ…)とはじめは少し緊張していたのですが、お気に入りの曲がかかるとすぐにノリノリに。
私とSさんは好きなアーティストや曲が同じだったり、趣味が似ているので本当に気が合うんです。長距離のドライブでも話題に困らないし、深夜ともあってナチュラルハイ。
でも、目的地が近づくにつれて道はだんだん細くなり、街灯はなくなり、私たちの乗った車以外の車もいなくなってきました。そして口数も少なく… (そういえば昔、どっかの女の子が知らない人の車に乗って山奥に連れて行かれて危ない目にあった話があったっけ…)
男友達って?! 妄想を破るロマンティックな一言
ひとたび妄想が始まると、もう止りません。
(Sさんに限ってそんなことはないと思うけどSさんも一応男だよな…)
(スマホの電波も届かないよ? 大丈夫?)
(友達とはいえ男女で深夜の山奥って軽率だった?!)
その時です。Sさんが山道の途中で突然車を止め、ヘッドライトを消したのです。
(キター!!)
(ドキドキドキ…)
(キスされるのかな? きっとそうだよね! 絶対そうだ!)
(待って、そうすればいいの!? どうしよう!)
Sさんはおもむろに車の外を確認しているようでした。
(うわぁ、周りに誰もいないか確認してるよぉ!)そして私の妄想を打ち破るSさんの声。
「みてー! キレイな星がいっぱいだよー!」言われてみれば、空には一面に輝く綺麗な星。女子力の高いSさんはキラキラしたものが大好きなので、思わず車を停めずにはいられなかったのでしょう。
全てを理解した私は恥ずかしさで顔から火が出そうでした。でもその時思ったのです。「Sさんがこんな人だから、ずっと友達でいられるんだ」と。男女の友情は、お互いが同性に近い感覚を持ち合わせているからこそ成立するものかもしれないと思いました。
あの日以来、Sさんに変な妄想することはなく元の仲のいい友達に戻りましたが、私が結婚してからはほとんど会えていません。どちらかにパートナーができると疎遠になってしまうのも男女の友情あるある、Sさん元気しているかな。
(ファンファン福岡公式ライター/あそうママ)