5年ぶりに昇格を果たし、再びJ1リーグの舞台で戦うアビスパ福岡。昨季に続き、2021年シーズンもチームの指揮を執る長谷部茂利監督に、今シーズンの目標や新チームへの思い、サポーターについてなどを、リモート取材で聞きました。
目標はリーグ戦10位以内! 皆さんに楽しんでもらえる戦い方が大事だ
―昨シーズンを振り返って。 何といっても、やはりコロナ禍という大変な時期にサッカーができ、多くの方に応援していただけたということに感謝した一年でした。ルールや日程の変更など、いろいろ難しいシーズンでしたが、J1復帰という成果を残すことができてよかったと思います。いろんなことを“切り抜けた”一年でした。
―今シーズンの目標は? 勝ち点50以上でリーグ戦10位以内、カップ戦ベスト4以上を目指します。1月中旬に新チームが始動し、2月には宮崎キャンプも行われます。掲げた目標を達成するために何をすべきか、現場もフロントもチームに関わる全ての人が一丸となって準備をしています。 ―開幕戦は昨年3位の強豪・名古屋グランパスです。 初戦はホームで戦えますので、しっかり準備をして我々らしい試合ができるように全力を尽くします。サッカーは交代選手を含めて18人で戦います。その条件は相手も同じ。日々の練習と準備の成果を出せれば、相手がどのクラブでもいい試合ができると思っています。もちろん勝負事なので、結果で観客に喜んでいただくことも大事。しかし、ただ勝つだけではなく、皆さんに楽しんでもらえる勝ち方、戦い方が大切だということを選手にも話しています。
―昨季、監督が試合中に大きな身ぶり手ぶり、大声で選手に指示を送る姿が印象的でした。 毎日しっかり練習をして、選手とも言葉を交わしているわけですから、本来なら試合中はどっしり構えて選手に任せたらいいのでしょうけれど。いざ試合になると、勝ちたい一心でいつの間にか熱くなって、つい大きな声でプレーや戦術の指示を出してしまいます。私の大きな声が観客の気分を害していなければいいんですが…大丈夫ですか(笑)!? ―今季も熱い「紺色の長谷部アビスパ」でお願いします! あ、そのチャント(応援歌)! リモート応援用でスタジアムに流れていますが、昨季の開幕戦でピッチに入った時にサポーターが歌ってくださったんですよね。歌詞が「長谷部アビスパ」だとすぐに分かりました。自分の名前が入ったチャントは初めてなんですよ。うれしいですね。
―スタジアムの雰囲気について。 声出し応援ができない中、リモート応援や太鼓を使って、工夫しながら後押しをしてくださっているのを常にピッチで感じていました。特に試合の終盤やリーグ戦の終盤で、ここぞという勝負どころでの手拍子は本当にすごかった。単に手拍子の音が大きいとか、勝っているから負けているからとかではなく、“勝ち点1の重み”を知っているからこその気迫の手拍子。あの応援には選手たちも勇気づけられたと思います。 ―サポーターの印象は? 福岡の人は熱いですね。情が深いというか。調子がいい時も悪い時も、一年を通じていつでも「応援しているよ、頑張れ!」「必ずJ1復帰してくれ!」と本当にたくさんの声をかけてもらいました。福岡の皆さんのアビスパに対する興味・関心の深さを感じて、福岡はJ1にいなければいけないチームなんだと強く感じました。
―福岡の街の印象は? 日々の生活の中で実感するのは、日の出と日の入り時間が関東とは随分違うなと。福岡にはおいしいものがたくさんあったりするのに、残念ながらコロナ禍でほとんど福岡の街に出かけることができなかったので、そのくらいしか福岡らしさを感じることができなったんですよ…。 ―読者へのメッセージをお願いします。 しばらくは、さまざまな制限下で観戦をしていただくことになると思います。スタジアムでもテレビ中継でも、皆さんに楽しんでもらえる試合をすることが責務だと考えています。選手、スタッフ一丸で頑張りますので、アビスパ福岡の応援をよろしくお願いいたします。
はせべ・しげとし
1971年4月23日生まれ、神奈川県出身。現役時代はヴェルディ川崎(現東京ヴェルディ)やヴィッセル神戸などで活躍。引退後は指導者の道へ。監督歴はジェフユナイテッド市原・千葉(代行)―水戸ホーリーホック―アビスパ福岡(2020年就任)。
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