昔今、女性達を悩ませてきた、義親との同居問題。嫁なら同居を受け入れて当たり前と思っている義親と、「パート主婦のくせに」とモラハラ発言で同居を強要する旦那に、毅然と立ち向かう勇敢な女性に出会いました。彼女は、どのように同居回避に向けて動き出したのでしょう・・・。
義両親と同居?
「ついに同居決定かもしれない」 30代既婚者、2人の子どもを育児中で、パートで働く彼女は、浮かない表情で、そう漏らしました。
そもそも、この同居話が持ち上がってきたのは、今年のゴールデンウィークの頃。義親から
「そろそろ同居の計画をたてよう」と言われて驚いたのがきっかけでした。
彼女にとっては、寝耳に水でしたが、旦那も了承済みの話なのでしょうか。彼女は、旦那に目を向けましたが、義親に反論するでもなく、さも当然のように頷いています。
「同居なんて嫌です!とんでもない!」 と拒否する仲間を失った彼女は、その場で反論も快諾もできずに、曖昧な笑顔でやりすごしたのでした。
そもそも彼女は、結婚と同時に、旦那の持ち家のマンションに引っ越したため、別居が当然、同居なんて他人事だと思っていました。しかも旦那は
「地元は嫌いだ」と言っていたのです。
義親が住むのは、市街地から離れた郊外の住宅街で、自然豊かな場所ですが、夜になるとバイクや車を走り回す柄の悪い輩が多く、子育てに向いているとは言えません。旦那自身、大学進学を機に地元を離れて一人暮らしをはじめ、20代半ばの独身時代にマンションを購入していました。
そしてそのマンション周辺は、購入した当初はスーパーやコンビニすらない、寂しい立地だったのですが、約10年の間に開発が進み、高層マンションが建ち並ぶ人気エリアに成長していました。
モラハラ旦那の衝撃の一言
急成長中の街には、若いファミリー世代が集まります。巨大なショッピングモールやレジャー施設、教育施設も充実した便利なエリアから、義親の住む寂れたエリアに引っ越すメリットはあるのでしょうか。
さらに子ども達が赤ちゃんの頃から親しくしているママ友や、子どもの幼なじみもたくさん住んでいる場所です。旦那の職場や、彼女のパート先にも近いこの場所から引っ越すなんて考えられない・・・ と旦那に訴えましたが、旦那は聞く耳を持たず。
そればかりか、旦那は頭ごなしに、こんなことを言ってきたのです。
「そもそもこのマンションは自分が購入したものだ。購入した時よりも、価格は上がっているんだから、賃貸に出せば、定期的な収入になる。もしかしたら、お前がパートで稼ぐ金額よりも大きいかもしれない。俺らは実家に住めば、住宅費はかからないだろ。賃貸収入+浮いた住宅費が、子どもの教育資金になるんだぞ。月々いくら増えるのか計算してみろよ」
たしかに人気エリアになった今、築年数が10年を越えるマンションでも、当初購入した以上の資産価値になっていました。旦那の言う通り、このマンションを賃貸に出せば、月々十何万円もの賃貸収入が入るようになるでしょう。売りに出したとしても、購入した時以上の価格で売れることは明確でした。
それでも納得いかない彼女は、同居を阻止しようと食い下がりますが、旦那はにべもなく、こう言い放ちました。
「正直、おまえよりも、このマンションの方が資産価値があるんだよ。おまえが、旦那の親と暮らしたくない、そんな精神的な理由だけで、このマンションの稼ぎを邪魔するなら、もっと稼いでこいよ。お前に同居を断る資格はない」 そんなモラハラ発言をされた彼女は、以前から頭に浮かんでいた計画を実行に移すことにしました。
反撃が始まる!
彼女が今パートで働いている会社は、出産前、正社員として働いていた会社でした。彼女の子は、生まれてすぐ、入退院を繰り返すほど体が弱く、看病と育児に専念するため、辞職していたのです。けれど、仕事も気配りもできる彼女を引き留める声が多く、保育園に子どもを預けられるようになった頃、週3日間だけのパートとして復帰したのでした。
旦那の暴言から半月後、会社と相談して、あらためて正社員として雇ってもらうことになりました。そして、週3日から週5日のフルタイムになったことで、家事や子育てを手伝ってもらうために実家から実母に来てもらうことにしました。旦那には、もちろん事後報告です。
「あなたの言う通り、稼ぎを増やすんだから、文句はないでしょ? それとも私の親と暮らすのが嫌だなんて、精神的な理由で、断ったりしないよね」と宣言しました。
旦那は、突然の同居にストレスが溜まっている様子で
「義親と同居っていうのは、家に上司が常に居るようなもんだな…」と、つぶやいていたところを見ると、同居発言を後悔しはじめたのかもしれません。もちろん、旦那が、義親との同居撤回を言い出すまで、彼女の実母は、実家に帰る気はないそうです。
子どもたちや友人、職場でも慕われる彼女が、マンション以上の価値があることに、旦那が早く気づくことを願ってやみません。
(ファンファン福岡一般ライター)