子どもの成長を確認することができる乳幼児健診ですが、「言葉の発達がちょっと…」など、保健師さんの言葉に毎回ドキっとしますよね。ようやく無事に最後の3歳児健診が終わるかと思いきや… とんでもエピソードです。
視力検査で左目の視力がないと言われた息子
長男出産後、生後1カ月からはじまった乳幼児健診は「今回も保健師さんから何も言われませんように」と、毎回ドキドキすると同時にストレスでもありました。そんな健診もようやく今日で最後だ! と、3歳児健診のその日ばかりは晴れ晴れとした気持ちで、息子と会場へ向かいました。私の住む地域の3歳児健診では、体重、身長、内科、歯科、尿検査、に加え視力検査があります。
視力検査では、視能訓練士さんが
「左目が…」と何度かつぶやきながら、同じ検査を繰り返しているようでした。一通り検査が終わり検査室を出ました。
保健師さんから思わぬ言葉が
「視力検査でわかったのですが、息子さんの左目がほとんど見えていないようです」と、心配そうな顔で告げられました。
「え!? そんなまさか」それこそ、目の前が真っ暗になりました。この3年間息子の左目が見えていなかったなんて、信じられませんでした。公園でも普通に遊んでいたし、走って何かにぶつかる様子もありませんでした。でもどうして私は気づけなかったのだろう? と自分を責める気持ちでいっぱいでした。
すぐに大きな病院で検査するように言われ、その日のうちに予約をして数日後に受診しました。病院からの説明では、この年齢の子どもの視力を正確に検査することはとても困難であり、1回の検査ではわからないということでした。ただ、息子の場合
「左目が全く見えていないというわけではなさそうで、日常生活はとりあえずこのまま様子をみましょう」とのことで、少しほっとしました。
その後、視力検査と目のトレーニングをするため、毎月病院通いが始まりました。息子は嫌がらずに受診するものの、小さい子どもの病院通いはとても手がかかりますよね。大きな病院ですので、予約時間に行っても確実に長時間待たされる上、絵本やおもちゃでは全く時間が稼げません。
生後半年になる次男を抱っこしながら、待合の椅子の間を走り回る息子を
「すみません」と頭をさげながら追いかけるのは、相当なエネルギーを費やします。
それでも、息子の左目が回復してほしい一心で、毎月欠かさず病院へ通いました。
息子が
「またくるね、ばいばーい」と眼科の看護師さんたちと仲良くなった頃には、3歳だった息子は4歳になっていました。
通い始めて1年後、先生から思わぬ一言
先生はパソコンを見ながら満面の笑みで、
「うーん。あれですね、この1年間、毎月検査をしましたけど、息子さんもともと視力があったんじゃないかと思います。珍しくないんですよ3歳児健診の誤診って、ハハハ笑」
「……」
「とにかくお子さんに視力があって良かったですね、お母さん!」
「はい…」
「もう来月からは来なくていいですよ」
(あたりまえじゃ。っていうか、誤診とわかるまでに1年もかかるなんて! 息子の視力の心配と不安、通院の時間と労力… すべて返しやがれ!)と、心の中で吐き捨てて病院を後にしました。
子どもの成長を見守ってくださる地域の保健師さんや医療関係の方々へ感謝の気持ちでいっぱいです。しかし、医師も認める3歳児健診の誤診にはくれぐれもご注意ください。注意しようがないですが、ハハハ…。
(ファンファン福岡公式ライター/モモ☆タロー)