幼稚園の卒園式は、子どもたちとその保護者が主役。それにもかかわらず担任の先生が号泣してしまった場合は大変です。子どもたちが不安になってしまうのはもちろんのこと、記念撮影すらままならなくなってしまうという大事態に…。
感極まってしまった先生
いよいよ、幼稚園の卒園式。タキシードを身にまとった息子を見て、入園してからの4年間が思い出されます。
「幼稚園行きたくない!」
「ママと一緒に帰る!」と、入園当初、号泣しながら登園していた姿が、まるで昨日のよう。 「本当に、大きくなったなぁ…。」檀上で卒園証書をもらう凛々しい息子の姿を見て、思わず感極まる私。
「いよいよ卒園!」そう思うと、嬉しいような寂しいような複雑な気持ちで胸がいっぱいになり、涙があふれてきます。
クラス全員の卒園証書授与が終わった、その時。感極まってしまってしまったのか、担任の先生が声を出して泣き出しました!
震える声で、生徒一人ひとりの名前を呼んでいた先生。生徒全員の名前を読み上げるまで、きっと、ずっと我慢していたのでしょう。
あふれる涙を止めることができず、その場で泣き崩れてしまいました。 子どもたちが動揺し始め、ざわつき始める式場。慌ててほかの先生がフォローに入りますが、泣いている担任の姿を見て、子どもたちが不安にならないわけがありません。つられて泣き始める女の子まで出始める始末。後ろを振り返り、私の方を見つめる息子の表情も不安でいっぱいの様子です。
「大丈夫かなぁ…。」そのうち息子まで泣き出すのではと、私の方も気が気ではありません。いつの間にか、感動も涙も吹っ飛び、口パクとジェスチャーで息子に「がんばれー!」とエールを送ります。
予想外の出来事
「それでは、終わりのご挨拶をさせていただきます。」ベテラン園長先生の鶴の一声により、落ち着きを取り戻したかに見えた卒園式。最後は記念撮影をして、無事にお開きとなる予定でした。 ところが…。
すでに泣き過ぎてしまった担任の目はパンパンに腫れ上がり、顔も真っ赤に。もはや、写真に写れるような状態ではありません。
「せんせい、だいじょうぶ?」担任を心配し、子どもたちが駆け寄ってきます。
「大丈夫、大丈夫だよ。」そう言いながらも、涙を止められない担任。
クラス役員の計らいにより、なんとか集合写真は撮れたものの、担任は泣き顔のまま。 これはこれで記念になりましたが、嬉しいはずの卒園式、卒園して5年たった今でも、思い出すと苦笑いをしてしまいます。
(ファンファン福岡一般ライター)