2人の子育ての中で、これまで何度も頭を悩まされた「子どもがご飯を食べてくれない」問題。「そういう時期もある」と頭では分かっていますが、あまりにも食べてくれない日が続くと「私はゴミを作っているのだろうか」と虚しくなり、料理を残すことについての教育は一度きちんとしなければいけないと思っていました。そこで、連休を利用してあることを実践してみました。
当たり前に料理を残す子どもたち
わが子は小食です。
「もういらなーい」と言い、当たり前のように料理を残し、遊びだす4歳の息子と2歳の娘。食べ物の大切さについて、「お米は農家の人が大事に育てていること」や、「世界には食べるものがなくて亡くなってしまう子どもがいること」など、伝えたいことはたくさんありますが、まずは分かりやすく、パパとママの視点から伝えることに。
「お肉もお野菜もお米も、パパが一生懸命働いたお金で買ったんだよ」
「このお料理は、ママが2人のために頑張って作ったんだよ」そんな風に伝えましたが、働く経験も料理をした経験もない子どもたちには伝わるはずもなく…。
それならば、実際に経験させてみようと試みました。
初めてのお仕事とお料理
「今日は2人にお仕事をしてもらうね!」と使命を与え、それぞれ得意な役割を任せることにしました。「お仕事」というワードに気合いが入る子どもたち。
4歳の息子には掃除機をかけてもらい、2歳の娘にはタオルを畳んでもらいます。そして「お給料」として100円ずつ渡し
「このお金でお買い物をして、夜ご飯を作ろう!」と提案。
豆腐屋さんへ行き、子どもたちの200円で豆腐を買い、みんなで麻婆豆腐を作りました。子どもたちには豆腐をちぎるのを手伝ってもらいました。
そして完成した麻婆豆腐。食卓に並べて、家族4人の夕食時間です。「自分たちで作ったら食べるかな?」と淡い期待をしていましたが…。少し食べて
「おなかいっぱい!」と一言。ここまでは想定内だったので、次は残した麻婆豆腐を、自分で捨てさせることにしました。
ゴミ収集車に回収された麻婆豆腐
残された麻婆豆腐が見えるようにゴミ袋に入れ、翌朝ごみ収集車が来る時間に合わせて、子どもたちとゴミ捨て場に持っていきました。
「このお豆腐、せっかく2人がお仕事して買ってくれて、お料理もしてくれたのに、捨てることになっちゃったね…」私が残念そうに言うと、子どもたちも少し悲しそうな表情をしていました。
ごみ収集車が到着し、回収して去っていく様子を玄関先で見ていた子どもたち。
「ゴミはどうなるの?」と聞いてきたので
「燃やされて無くなるよ」と言うと
「えー! 嫌だ、捨てたくなかった!」と。
「パパとママも毎日食べ物を捨てるとき、悲しい気持ちになるんだよ」と伝えると、以前とは違う真剣な顔で頷いていました。
昼食はチャーハンを作ったのですが、長男の口から
「ご飯を捨てるのは嫌だから、少なめに入れて」という言葉が出てきました。妹も真似して
「〇〇ちゃんも~!」と。
この日からわが家には「食べる量は自分で決め、お皿に入れたら残さず食べる」というルールが出来ました。2日間の苦労が報われて、ほっとした瞬間でした。
「百聞は一見にしかず」
何度言っても伝わらなかったのに「百聞は一見にしかず」とは、まさにこのこと。食べ物を大切にする気持ちを忘れずに、これからも育って欲しいものです。
今回は「食べて欲しい」という私の気持ちは一旦置いて、「食べ物の大切さを伝える」という点を大切にしたのが成功の秘訣だと思っています。
(ファンファン福岡公式ライター / canaママ)