男児ママになって、初めて足を踏み入れた世界、それは戦隊モノです。仮面ライダーやウルトラマン、戦隊ヒーロー等、小さな男の子を魅了する、格好良いヒーロー達。最近は、イケメン若手俳優の登竜門でもあるため、ママにとっては目の保養。そんな親子で楽しめる戦隊モノに、水を差す人物がいました。
テレビの時間は家庭それぞれ
皆さんのご家庭では、お子さんの見るテレビ番組について、ルールはありますか? 筆者のまわりでは、家庭によって千差万別。わが家は、子どもが興味を持った番組なら、なんでも視聴OKで、テレビの視聴時間も、特に決めていません。
一方で、NHK教育テレビしか見せない、1日に見られるのは1番組(30分アニメ)だけ、そもそもテレビがない。そんなルールの家庭もあります。
こうしたルールの違いは、テレビに限られたことではありません。携帯電話をいつ持たせるのか。ゲームはいつ解禁するのか。お小遣いは何歳からあげるのか…。それは親御さんが、我が子のことを考えて決めるルールなので、お互い口出しすることではないと思うのです。
ところが、よその家庭のテレビルールに文句をつける、困ったママがいたのです。 それは、ママ友との何気ないおしゃべりの最中。
「最近の戦隊ヒーローは、格好良い! 本物の俳優さんが出てくる、ヒーローショーに行ったら、あまりの格好良さに、ぽぉっとなってしまって、隣にいる子どもと旦那の存在を忘れてしまった(笑)」 そんな笑い話で盛り上がっていると、突然、4歳の活発男児がいるAさんが、口を出してきたのです。
「うちは戦隊モノの番組は、見せないの。敵だからって、暴力で解決するなんて、子どもの教育上アウトでしょ? 将来、喧嘩ばかりするような、暴力的な人になったら困るもの」
仮面ライダー沼にどっぷりはまり、戦隊ヒーローもこよなく愛す3歳の息子を子育て中の筆者は、
「まぁそういう考えもあるよね…」と苦笑いしながら、彼女の持論を聞いていました。
先ほどまで、一緒に盛り上がっていたママ達も、お子さんが戦隊モノを大好きで、おもちゃを買ったり、イベントに連れて行ったりするうちに、「戦隊モノの番組って、結構面白いよね」と詳しくなっていった人達ばかり。 彼女の持論でいくと、戦隊モノが好きな男児が集まると、暴力的な遊びしかしない! と言われているようなものですが、実際は…。
戦隊モノは見ないはずなのに…?!
戦隊モノが好きな男児同士、おもちゃを交換したり、格好良い変身ポーズをしたりと、それは仲良く遊んでいます。
幼稚園内では、戦いごっこが争いの元だと、禁止されているので、直接組み合うことはありません。お互い変身ポーズをとり、ちょっと離れた場所から技をかけあう真似だけしているので、端から見ると、みんなで太極拳をしているようで、笑ってしまいます。
幼稚園外で戦いごっこをする時も、剣で叩いたり、手を出したりすることはありません。じゃれあいながらも、危なくないように力の加減をして、戦うふりをしているだけ。ママ達も目を光らせているので、万が一、戦いごっこが本気モードになったら、すぐに
「そろそろ止めようか」と仲裁に入ります。そのため、これまで暴力を一方的に受けて泣いたり、怪我したり…といったトラブルとは無縁でした。
ところが件のAさんのお子さんは、戦隊モノの番組を見ていないはずなのに… 酷く暴力的なのです。ゆるやかな太極拳風の、平和な戦いごっこに乱入して、急に殴りかかったり、顔を叩こうとしたり、噛みついたり…と、力加減が全く分からない様子。
さらに戦隊モノのおもちゃを禁止されているせいか、友人のおもちゃを取り上げたら最後、帰るまで身につけて離しません。お互い交換するのであれば、楽しく遊べる子ども達も、一方的におもちゃを取られて、泣きだしてしまうことも。さらに酷いことに、戦隊モノのカードやフィギュアなど、小さなおもちゃを、こっそりと持ち帰ってしまうのです。
こうしたわが子のふるまいを、Aさんはどう思っているのでしょうか。力加減が分からない遊び方については、
「戦隊モノが好きな子の方から、手を出してきたんでしょう? うちは自己防衛だ」と言い張ります。
おもちゃを持ち帰ってしまったことについては、
「うちの子は、戦隊モノが好きな子からプレゼントされたのだと言っている。むしろわが家は、戦隊モノに触れさせたくないのだから、みんなで集まる場所に、持ってこないで欲しい!」と、まさかの逆ギレ!?
正直、戦隊モノを批判して、子どもから遠ざけるのではなく、もっと上手に取り入れてくれたらよいのに…。周囲のママ達は、Aさん親子に対して、「なんだかな…」とお手上げ状態なのでした。
(ファンファン福岡一般ライター)