イクメンという言葉が普及するにつれ、男性が子育てに参加することは、当たり前になってきました。娘が通う幼稚園では、平日の送り迎えや参観日、遠足にも、パパの姿をチラホラと見かけます。そんなイクメンパパが、やらかしてしまった事件について、お話します。
育児に積極的なパパさん?
娘の通う幼稚園では、ママ同士の交流が多く、特に気の合うママ達が10名ほどで、飲み会を開催していました。先日の参観日、授業がはじまる前の雑談で、
「そろそろ飲み会やろうか」
「いいね! いつにしようか」等と話していると、偶然隣に立っていたパパが声をかけてきたのです。
「飲み会ですか? いいですね! 今度、僕も参加させてくださいよ」 ニコニコと他意のなさそうな笑顔を浮かべるパパとは、たまに挨拶をする程度で、詳しく人となりを知っているわけではありません。そのパパの奥さんは、下の子どものお世話が忙しいようで、めったに幼稚園に来ることはありません。けれど、パパは自営業で融通が利くからと、平日の参観日に来たり、たまにお子さんを車で送り迎えしたりしているところをみると、きちんとしたイクメンで、悪い人ではなさそうです。
ママ達の中に、一人パパが混ざると気を遣いそうだな… と、一抹の不安がよぎりましたが、社交辞令で
「そうですね。ママばかりでお嫌じゃなければ」と誘うと、本当に参加してきたのです。 ママ10名に、パパ1名。
こちらから、「来て欲しい!」とお招きしたゲストではありませんが、男性一人で気まずい思いをさせるのは、申し訳ない気もします。そこで、パパが気持ちよく飲めるように、話を合わせ
「へーすごいですねー」と適当に持ち上げていました。特にパパの両隣に座ったママは、話を盛り上げるのが上手なので、すっかり良い気分になっているようです。それから、1時間ほど経った頃でしょうか。すっかり酔いの回ったパパは、とんでもない態度をとるようになってきました。
パパのとんでも発言とは?!
「なんだか熟女キャバクラみたいで、いいですわ〜!」
その発言に「熟女かよ…」と、一気にママ達の表情が凍り付きます。たしかにママ達は、30代〜40代前半ですが。 「そろそろ放置でいきますか…」 ママ達の心の声は、目線だけでも、ばっちり伝わってきます。
特に両隣のふたりは、キャバクラ扱いされたことに、ムッときたのか、ちやほやタイムを強制終了して、いつも通りママ達で盛り上がり始めました。自業自得で空気を悪くしたにも関わらず、空気の読めないパパは、
「なんか居心地悪いわ〜 帰っちゃおうかな」と面倒な態度で、むくれています。
結局、いつもより早いタイミングで
「明日もあるし、そろそろお開きにしようか」と、お会計することになりました。すると頼んでもいないのに、パパは、ゴールドカードをピッと出し
「これで、お会計、行ってきてくれる?」と横に居たママを使いっ走りにしようとしました。
「他人がクレジットカードのサインは、できませんよ。え? 現金は持ち合わせがないんですか…?! それなら、フロントへ自分で行って、お会計をしてください。ママ達の分は、こちらで集めておきますから」
そう断り、パパをフロントへと案内しました。こんなパパにご馳走になっては、後でなんと言われるか分かりません。きっちり人数割りで、ワリカンにします。結局、ワリカンのお金をしっかりと受け取り、ポイントも貯めたくせに、最後は、まさかの地雷発言を繰り出しました。
「僕なんて金持ちって以外、いいところないですから〜」
昔懐かしの「笑っていいとも!」で、タモリさんと観客がやりとりしていた、あの言葉がママ達の頭に浮かびました。 「そ~ですね!!」 そう口を揃えて、唱和しそうになった出来事でした。
(ファンファン福岡一般ライター)