初めての出産を経験して、わが子に出会えた時の嬉しさはとても大きいものでした。しかし産後の生活は想像以上に慌ただしく…。子育てと家事を頑張ろう!と意気込んでいたものの、心と身体のバランスが取れずに、産後うつとの診断を受けました。産後うつに向き合って回復に向かっている現在、家族との時間を楽しく過ごしています。
まさか、私が産後うつに?!
ここ数年の間に、テレビやネットなどで産後うつの話題が取り上げられるようになりました。 産後うつは、産後のホルモンバランスの乱れや、慣れない育児に疲れ果ててしまう新米ママなら誰でもなりうるもの。そう聞いてはいましたが、きっと私は大丈夫だろう、と思い込んでいました。
私は体力面、そしてメンタルが人一倍強いという自負がありました。今まで様々なことを乗り越えてこられたのだから、育児もきっとうまくこなせるであろうと、妊娠中は育児用品をそろえることがとても楽しくて、赤ちゃんとの対面を楽しみに待ちながら過ごしました。その時は、まさか自分が産後うつに陥るなんて思ってもいませんでした。
妊娠中は、つわりの症状が軽く、出産もトラブルなく終えることができました。初めての赤ちゃんの姿はとても愛おしく、これから頑張って育てていこうと意気込みました。その半面、夫や友人と旅行や遊びに出かける、思い切りおしゃれを楽しむなど、出産前の自由な生活に戻れないんだ… と思うと、もの悲しい気分に襲われてしまいました。
だからといって憂いている暇もなく、新しいおむつやミルクを求めて泣き叫ぶわが子の世話に追われ、生活リズムの乱れで慢性的に睡眠不足。そのうえ、出産前に新居に引っ越していたので、荷物の整理などができないストレスが。
急な生活の変化に、無意識に心と身体のバランスが崩れてしまいました。
突然、涙があふれて止まらない、家族の些細な一言にイライラしてしまうなど、自分で感情をコントロールできず、周りから見ても異常な精神状態でした。
産後うつを乗り越えるために
家族の勧めで、心療内科を受診することになりました。
やはり産後うつとの診断を受けました。まさか私が? と少しショックを受けましたが、幸いにも家族がメンタルの疾患に理解があったので、現実を受け入れることができました。多少時間がかかってもいいから、ゆっくり回復に向けていこうという目標ができました。
元気な姿を取り戻して、子どもとの楽しい思い出をたくさん作りたい。だからこそ、産後うつを治そう! と強く思いました。
産後のホルモンバランスの乱れと疲労の蓄積は、想像以上に恐ろしいものです。私は大丈夫だろうとなめてかかってしまったことを後悔しました。
子どもも2歳になり保育園に入園できたのを機に、一時は激しかった産後うつの症状も落ち着きを見せました。
子どもとの生活にようやく馴染んだこと、新しい仕事を始めたこと、自分の時間を少しでも作るようにしたことなど、小さな充実感の積み重ねを喜ぶことが、産後うつの回復につながっていると思います。
育児は大変だけれど、楽しいこともあるのだと思えるようになりました。何かと頑張りすぎなくてもいいじゃないか。とできるだけゆるく考えるようにして、育児生活を楽しんでいくことを忘れずにいたいです。
(ファンファン福岡一般ライター)