離婚後の養育費、76%が「途絶えた」 どう対策する?

 こんにちは。ファイナンシャルプランナーの白浜仁子(しらはまともこ)です。  日本の離婚率は約35%。離婚が珍しくない昨今、子どもの養育費は大きな問題です。今回は、子どもの権利でもある養育費の平均額や相場、支払期間などについて紹介します。

そもそも養育費って何?

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 子どものいる夫婦が離婚した場合、どちらかの親が養育していくことになります。それにかかる費用を、もう一方の親が負担するのが養育費です。こんな言い方も何ですが、離婚して夫婦の縁は切れても親子の縁が切れることはないので、別々に暮らしているからといって責任が無くなるわけではありません。親には子どもがこれまでと同様に生活していけるように努力をする義務があります。  ただ現実はそんなにシンプルではなく、養育費が支払われないケースは多くあります。2016年度全国ひとり親世帯等調査結果報告によると、養育費の取り決めをしているのは全体の約43%。取り決めをしていない理由としては、「相手と関わりたくないから」「暴力を振るわれているから」などもあり、難しい問題だと感じます。中には「支払う能力がないと思うから」としている人も。きちんと協議する前にあきらめているケースです。  離婚後は女性が養育するのが大半で、しかも、今なお男女間の収入格差がある中での子育ては大変厳しいものです。つまり、養育費は子どもの将来を左右するのです。

養育費は子どもが何歳になるまで受け取る?

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 夫婦によって、高校を卒業する18歳、成人を迎える20歳、大学卒業の22歳などさまざまですが、家庭裁判所での審判となるケースでは20歳が原則のようなので、一つの目安になりそうです。  養育費の中でも大きな比重を占めるのが教育にかかる費用。私立学校への進学、塾の費用、大学や大学院への進学、留学などなど、お金をかけようと思えばいくらでもかかるのが教育です。できるだけ長く養育費を受け取りたいというのが養育する親の気持ちだと思います。

養育費の平均は?相場ってあるの?

 子どもの人数にもよりますが、厚生労働省によると平均で月額3万2,550円。親の細かな状況を勘案し算出する方法もありますが、大変な作業で時間がかかることから、以下のような統計値を利用した養育費の一覧表を参考に算出されています。 養育費・婚姻費用算定表 ただし養育費の取り決めても、ずっと継続して受け取れているかとなると、そんな子どもは約24%しかいないという現実。子ども目線で考えるとより寂しい気持ちになってしまいます。養育する側としては途中で受け取れなくなるリスクを念頭に、養育費の一部は大学の学費のために少しずつ備えることを考えておく必要がありそうです。

養育費を増額させる方法ってあるの?

 また、子どもを私立に通わせることになった、県外の大学で費用が足りないなどというときは、養育費の増額を請求することも可能です。相手から合意が得られない場合は、裁判所の審判を仰ぐことになります。とはいえ無い袖は振れないので、あまり期待しすぎない方がいいかもしれません。

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 離婚は円満にいかないケースが大半です。特に養育する側は、知識がないばかりに大変な苦労をしながら子育てをするケースも珍しくありません。養育費の請求の仕方、もし支払ってくれない場合の対応など、ある程度は勉強して、いざというときには弁護士に相談するなど、適切な対応が取れるようにしておきたいものです。  かくいう筆者もシングルマザーに育てられました。それぞれの方がそれぞれの状況で、この記事を読まれていると思います。ベストを尽くして頑張っていきましょう。

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