ファイナンシャル・プランナーオフィス「フォルテシモ」(福岡市中央区)に相談のあったお客さまの家計簿を公開してアドバイスする「うちの家計簿」。今回は、54歳の会社員Aさん、38歳の妻はパート勤務です。
家計についてAさんから相談されたこと・・・
【Aさんからの相談】 8年前に結婚しました。これから子どももほしいと考えていますが、老後のことやお金のことが気になってきました。60歳で定年、65歳まで再雇用で働く予定です。無駄にお金を使っている意識はあまりないのですが、現在、貯蓄がありません。 クレジットカード払いを減らすなどして、まず50万円をためたいと思っています。保険料も貯蓄になると思って頑張って支払っていますが、それでいいのかなど、今後の家計についてアドバイス願います。
Aさんの家計簿
手取りが夫婦合わせて月35万円。ボーナスが年54万円あり、年間の手取りは474万円ありますが、現在貯蓄がありません。これからどのようなことに気をつけていけばいいか確認しましょう。
将来の収入と支出を予測する
妻と16歳の年齢差があります。妻は現在扶養の範囲で働かれていますが、Aさんが11年後の65歳で会社を辞めた場合、妻は49歳。会社員の妻ではなくなるため、年金も第1号被保険者として国民年金になり、社会保険料の負担が現在よりもアップします。 11年後、Aさんの年金と妻の収入で生活できるか具体的に考え、今後の収入の目標を立て、働き方を検討していきましょう。
クレジットカードは衝動買いを促す
クレジットカードの支払いが現在、8万3172円。手取りの約4分の1がカード払いに回っています。 カードの怖いところは、現金がなくても買い物できること。衝動買いを助長してしまう力を持っています。Aさんの「余計な物を買うのをやめて貯蓄をする」という目標には一番不要なものです。カード払いは借金と考え、目標の貯蓄額50万円がたまるまではカードを封印し、「ニコニコ現金払い」を習慣にしましょう!
「老後破産」にならないために
「老後破産」というショッキングな言葉を耳にするようになりました。老後の家計管理には「住居費用」が大きなポイントになってきます。 65歳以降の年金生活までにその後の家賃分の貯蓄がないと、年金収入の一定額が毎月家賃として消えていきます。今、貯蓄ができずカード払いが残っているということは、毎月の収入を使い切って、さらにカードでお金を借りていることになります。 今、真剣に支出を見直さないと、老後は赤字家計に転落してしまいます。 「定年後も働くから大丈夫」と思っていても、体調を崩すと働けなくなり収入を得ることは難しくなります。大切なパートナーと安心して暮らしていくためにも、支出を再度見直しましょう。 保険についても、名称は「積立保険」となっていても積立部分は少なく、多くの部分が掛け捨てになっているものもあるので、本当に必要な保障かどうかを調べ、貯蓄に回せる部分がないか確認しましょう。
Wallet+を使って
お金についての役立つ情報が毎日配信される無料のアプリです。お金の教養を少しずつ身につけて家計管理の意識を高めていきましょう。
家計簿診断を終えて
「お買いもの中毒な私!」という2009年公開の映画があります。主人公の女性がクレジットカードを使わないようにするために奮闘するシーンがあります。 カードに依存していることはなかなか自分では気づきにくいものです。コメディータッチで見やすい作品だと思います。ぜひご夫婦でご覧ください。お勧めです。