世間では子育てをするパパは「イクメン」と呼ばれ好感度も上がります。しかしママは子育てをしても好感度に影響はありません。不思議に思うのは私だけでしょうか。わが家の夫はイクメンだと他人には思われています。見た目の「人の良さそうな」たたずまいと笑顔で、イクメンらしさが漂っているのです。しかし、雰囲気だけでは役に立ちません。最近の夫の残念な話です。
夫はイクメンなのか?!
数年前の話です。夫の実家に親戚一同が集まった大型連休。義両親は長男(夫)や次男の家族、孫たちが集合するとあって、たくさんごちそうを用意してくれました。結婚して家庭を持てば、兄弟でも会って話す機会が減ります。そんなこともあり、久しぶりの親戚全員集合でいろんな話に花が咲き、和やかな時間を過ごしていました。
未就園児や小学校低学年のわが子を含めた子どもたちは、時間の経過とともにすっかり仲良くなり大騒ぎ! 私はいつもの10分の1くらいの声量で、静かに「目」で怒りますが、わが子に効き目なし。そこで、何も気にせずのほほんとした顔で座っている夫に
「ちょっと、子どもが物を壊したり、ケガしたりしないように見てて」と頼みました。
子どもたちの騒ぐ渦中に行かされた夫は、抱っこやおんぶにお馬さんごっこ遊びに付き合わされ、もみくちゃになっていました。そんな様子を見ながら義母は
「○○(夫の名前)はホント子煩悩ねぇ。えらいわ」と目尻を下げて、ほっこりモードです。本当はそうじゃないのに…。
まさかの一言にびっくり!
食事が終わり、おやつの時間になったので、それぞれ持ち寄ったお土産を頂くことに。眠ってしまった10カ月の赤ちゃんを抱っこしながら、義弟のお嫁さんがコーヒーを飲んでいました。
そこに2歳のお兄ちゃんがママに甘えて抱きついてしまったはずみでコーヒーがこぼれてしまったのです。でもさすがは、若さと2児の息子を育てていることもあって、うまくかわした義弟のお嫁さんママ! 幸い赤ちゃんにケガはなかったのですが、コーヒーで辺りが汚れてしまいました。
たまたま隣にいた私の夫に
「お義兄さん! すみません。ちょっと抱いててもらっていいですか」と赤ちゃんを渡そうとしたら…。
「え! ムリムリ! 赤ちゃんなんでこわくて抱けないよ!!」
2児の父親のまさかの返しに戸惑う義弟のお嫁さん。私がすぐに席を立って赤ちゃんを抱っこしにいきました。次女も小学生になったし、赤ちゃんに触れるのは久しぶりで、なんとも懐かしい気分でほっこり… していたのは私だけ。
それからもお嫁さんの「赤ちゃんあるある」「子育てあるある」話に何一つまともに返せなかった夫。子育て真っ最中のお嫁さんは自分の夫と重なって見えたのでしょうか。彼女の顔から笑顔が消え、真顔になっていく様子に義母も苦笑い…。
帰り際に
「義姉さん。(1人で育児や仕事などをこなす)ワンオペ大変ですね」といたたまれない表情をされてしまいました。夫には「イクメン風」雰囲気だけでなく、実際に育児ができるようにこれから頑張ってもらいたいものです。
(ファンファン福岡一般ライター)