「FPオフィスフォルテシモ」(福岡市)のファイナンシャル・プランナーが家計の悩みに答えます。今回は34歳女性、パート勤務のTさん。夫と子ども2人の4人家族です。子どもの進学を応援したいけれど、毎月ほとんど貯金ができておらず、これから増える教育費をどう捻出すべきかの相談です。家計簿の内訳を見ていきましょう。
30代共働き…でも貯金ができない
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Tさんの相談
長女の私立小学校受験を検討しています。5年前にマンションをローンで購入し、管理費、修繕積立金に加え、さらに車のローン、幼稚園、習い事の費用を支払うと手元にあまり残りません。将来子どもが望めば、私立中学校への進学も応援したいです。どこを節約したらいいかアドバイスをお願いします。
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まず固定費の見直しを
夫婦2人の収入が合計40万3000円。そのうち負債の返済に8万4000円が充てられています。 毎月の決まった支出「固定費」を見てみましょう。ローン、通信、水道光熱費、管理費、保険料、教育費の合計は22万1600円。収入の55%を占めています。車も所有しているので自動車税、車検費、維持費などもかかりますね。毎月数千円でも1年間支払い続ければ数万円。大きな金額になります。 住宅ローンを組んだときに団体信用保険に加入していれば、死亡保障の見直しを検討しましょう。子どもが生まれたことで公的な死亡保障も手厚くなっているので、必要な保障額の確認も必要です。必要な分だけ保険に加入するようにしましょう。 また、携帯料金などは小まめに見直していますか。家族全員で加入すると安くなる、データ容量を分け合えるなど、さまざまなプランがあります。また、格安スマホに乗り換えると料金が1/3に抑えられる可能性もあります。数百円でも安くなれば、毎月自然と支出が減るので節約効果が高くなります。積極的に見直しましょう。
教育費の差どう埋める?
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私立小学校の受験を検討されているとのこと。文部科学省「平成28年度子どもの学習費調査」を基に算出すると、公立小学校の場合の費用は年間32万円。6年間で192万円。私立小学校は入学金19万円。毎年の費用は153万円で、6年間の合計が937万円です。 公立と私立では745万円、5倍近い差があります。幼稚園から、小、中、高校、大学卒業まで考えると、これから20年近く継続して教育費用を捻出していく必要があります。子どもが望めば私立でも行かせてあげたいという気持ちは分かりますが、中学校も私立に行かせるのか、その場合費用はどうするのかなど、長期的な計画を立てるようにしましょう。常に子どもの人数分の教育費を支出として考えておくことが大切です。 そして考えるべきは、私立小学校に通う場合、745万円の差をどこで埋めるかです。Tさんの収入を今より年124万円増やせば、6年で745万円になります。しかし働く時間を増やしたら家庭にどのような影響が出てくるのか、教育費はいつまでにいくらかけるかなど、できるだけ具体的に夫婦でよく話し合って教育プランを検討しましょう。
車の購入、ローンでなく積み立てて
現在、住宅と車のローンを2つ抱えていますが、車はこれからまだ買い替える可能性が数回あると考えられます。次回はローンを利用しなくていいように、購入時期までに費用を積み立てておきましょう。車の購入費用は一生のトータルで1000万円近くになることもある大きな支出です。ローンを利用するとその分利息が上乗せされ、家計の大きな負担になります。計画的に準備し、無駄な支出を避けましょう。
家計簿診断を終えて
支出に優先順位をつけて何にお金を使いたいか、なんとなく使っているお金はないか夫婦で話し合ってみてください。共働きだと、何となくやっていけそうな気がして支出が大きくなりがちです。まずは長期の計画を立て、月々の家計を見直しましょう。夫婦で得た収入をどう使うか、定期的に話をするのはとてもいいことだと思います。 「かわいい子には旅をさせよ」との格言がありますが、 昔の旅は今のように交通の便も整っていなかったため、旅は苦労、困難の連続だったようです。わが子がかわいいなら、親の下に置いて甘やかさず、世の中の辛さや苦しみを経験させたほうがよいという意味があります。何が子どもにとってよいことなのか、子育てには正解がなく悩むところですね。
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