これって虐待? 息子をたたいて苦しんだ過去

 息子が2~3歳ごろのことです。当時の息子は自立心が芽生え、イヤイヤ期真っ盛り。どんなにあやしても泣きやまない日々が続き、解決策が見当たりませんでした。私は怒りが抑えきれず、息子の頭をたたいてしまうことがしばしばありました。どうすれば自分の感情をコントロールできるのか、悩み苦しんだエピソードをお伝えします。

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小さな息子の頭をたたいてしまう

 第一子は待望の男の子でした。かわいくて仕方がないはずの愛息子ですが、想像以上に子育てが大変で、正直、かわいがる余裕がありませんでした。特に一番大変だった時期はイヤイヤ期真っ盛りの2~3歳ごろです。

 気に入らないことがあると物を投げたり、自分の頭をテーブルにぶつけたりしてかんしゃくを起こしていました。とにかく泣き声がすさまじい。やさしく声をかけたり、おもちゃであやしたり… あらゆる方法で機嫌を直そうとしましたが、何をやっても効き目がありません。

 そんな毎日が続いているうち、次第に私のストレスはたまっていきました。そしてついに怒りを抑えきれなくなり、泣きわめく息子の頭を「バシン!」とたたいてしまったのです。
 手を上げたらいけないと頭では分かっているのですが、怒りの感情をコントロールできない自分がいました。

出典:https://www.photo-ac.com/

人に相談する勇気がなかった

 私にたたかれた息子はさらに泣きわめきます。近所迷惑になっているのでは? と思うくらい泣き叫んでいました。手を上げても何の解決にもならないと分かっているのに、また手を上げたくなる自分がいます。これ以上息子と一緒にいるのは危険だと感じ、隣の部屋へ逃げました。  

 私は
 「どうしたらいいのよ!」と1人で泣き叫び、大粒の涙を流しました。子育ての大変さを身に染みて感じました。第三者から見たら「誰かに相談しよう」とアドバイスをしたくなる状態だったと思いますが、当時の私は、自分が息子に手を上げている事実を人に伝える勇気が出なかったのです。  

 たびたびニュースで取り上げられる虐待。決して他人ごとではないと感じました。

負の連鎖を断ち切るには

 息子の頭をたたいたのは1回限りではありません。怒りの感情が抑えきれなくなると、つい手が出るようになっていました。「またやってしまった…」と自己嫌悪に陥る日々です。たたかれた息子は痛み以上に、心に大きなダメージを負ったことでしょう。今思うと本当にひどいことをしたと後悔しています。

 負の連鎖を断ち切るにはどうすればいいのか、毎日悩み苦しみました。そこで私が行って効果を感じたのが「手を上げそうになったら、その場から離れること」です。

 隣の部屋へ行き、布団に向かって思いっきりパンチやキックをしたこともあります。とにかく気持ちを落ち着かせることが先決だと考えました。また、冷たい水を飲んでクールダウンすると、気持ちが切り替わることも。それでも怒りが収まらず、手を上げそうになったら自分の頬を「パチン!」とたたきました。そうするとハッとわれに返ることもありました。

 どんな理由であれ、自分の感情にまかせ、力でコントロールしようとするのは「虐待」だと思います。そのことに歯止めが利かなくなる前に、怒りの感情をどう抑えるかが重要なポイントになると感じました。

 あれから早8年が経過しました。今では当時より怒りをコントロールできるようになり、息子とも良い関係性を築けています。あんなにひどいことをしてしまったのに、息子は「お母さん大好き」と言ってくれます。その気持ちに応えられるよう、たくさんの愛情を注いでいきたいです。

(ファンファン福岡一般ライター)

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