11月の第3木曜日はボージョレ・ヌーボーの解禁日。親しい人たちと新酒を楽しむ人も多いのではないでしょうか? 私も解禁日に宅飲み女子会を開催したことがあるのですが、ある友人が妊婦なのに「安定期だから」とボージョレ・ヌーボーをがぶ飲み! その場にいた全員が顔面蒼白(そうはく)になった体験をご紹介します。
ボージョレ・ヌーボー解禁日の出来事
一時期に比べるとかなり「お祭り騒ぎ感」は薄れたものの、ワインが好きな人の間で人気のボージョレ・ヌーボー。解禁日には新酒を楽しむ人も多いことでしょう。
今から数年前の話になりますが、ちょうどボージョレ・ヌーボーの解禁日に、職場の友人4、5人で宅飲み女子会をする機会がありました。
「せっかくなので、飲んでみようよ!」と誰かが持参したボージョレ・ヌーボーを開栓。グラスにトクトクと注いでいきました。
その日の参加者の中には、友人のAもいましたが、彼女は妊娠中だったので、ワインではなくジュースを注いだコップが手渡されました。
ところが。
「乾杯!」の声とともに、Aは突然、隣に座っていた友人のグラスを取り上げ、ボージョレ・ヌーボーをゴクゴク飲み干してしまったのです。
周りにいた私たちは一気に青ざめました。
「何やってんの! 妊娠中はお酒はダメでしょ!」と慌ててAからグラスを取り上げたのですが、
「ボージョレはアルコール度数も低いし、安定期はちょっとなら飲んでもいいって言われたよ!」と、グラスを取り返して手酌でお代わりまでしようとしています。
メンバーの中には私を含め、経産婦が数名いましたが、みんな妊娠期間は禁酒が当たり前という認識。私たちは代わるがわるAをなだめ、なんとかグラスを取り上げて飲酒を諦めさせました。
その情報はどこから?
やっと飲むのを諦めてくれたAに落ち着いて話を聞いてみると、元々ワイン好きのAは妊娠によって飲酒制限がかかってしまったこともあり、ストレスが相当たまっていたとのこと。そのタイミングで「安定期はお酒を飲んでも大丈夫」という情報を耳にしたため、飲むなら今しかない! と上述の暴挙に出たのでした。
私たちも妊婦であるAの前で乾杯するなど、配慮が足りなかったかもしれません。Aだけでなく、その場にいた参加者全員が今日はアルコール類を飲むのはやめようと決めて、ボトルやグラスを片づけ始めました。するとその横で、Aが
「水…。水飲みたい…」と、今度は大量の水をガブガブ飲み始めました。口に残っていたアルコールの匂いがなんとも気持ち悪くなってきたそうです。
水を飲み干したAは、
「お酒はやめてっていう赤ちゃんからのサインなのかもしれないね」と、しんみり。念のため、女子会の翌日の朝、産科を受診したそうです。
その後のAの経過は順調で、数カ月後には元気な赤ちゃんを産みました。それを聞いて私たちも心底ほっとしたものです。 ちなみに「安定期は飲酒可能」というのは他の妊婦さんからの情報だったそう。しかし、日本産婦人科学会の公式ページには「妊娠中は少量であっても飲酒は避けるように指導しましょう」とあります。
妊娠中はいろいろな情報に振り回されがちになってしまいますが、赤ちゃんや自分の身を守るためにも、きちんとした情報を得ることが大切だと感じた経験でした。
(ファンファン福岡一般ライター)