私の母は、イベントと工作が好きな明るくて元気なおばあちゃん。昔から私の娘と会う時は、たくさんの工作グッズを抱えて遊びに来るのですが、娘は小学生になるとゲームばかりで付き合いが悪くなってしまいました。でも、母はめげずにあんな事を…。
工作って何歳まで楽しめるもの? 付き合いが悪くなる娘とめげない母
母は昔から「色々おもちゃを買い与えるのではなく、身近にあるものを工夫して遊びたい。」というのをモットーに、遊びに来る時にはたくさんの工作道具を抱えてやってきました。
ちなみに、母は器用な方で、私が小さい頃は、学校の工作の課題を家族に頼んで作ってもらっていたくらい。しかし、工作が好きな娘に喜んでもらいたい一心で、折り紙をはじめ、ひな人形、鯉のぼり、クリスマスツリー、今の時期だと節分の鬼など…、その時のイベントにちなんだ工作を娘と一緒に作りました。
ところが、娘が小学生になると遊び方がだんだんと変わってしまいました。夢中になって遊ぶのはゲームばかりで、あんなに楽しんでいた折り紙や工作グッズには見向きもしません。
節分の少し前に、鬼のお面を娘と一緒に作りながら学校の出来事などを聞きたかった母ですが、
「そういうのはいいから、一緒にゲームしようよ!」と娘に言われ、持参した鬼のお面の材料が入ったバッグを開けることはありませんでした。
大切なのはクオリティとサプライズ感! 祖母、鬼になる!
とはいえ、めげないところが長所の母は、このままでは終わりません。
節分の日、仕事を終えて帰宅すると、LINEに1枚の写真が届いていました。開いてみると、黄色と黒のカラーテープを巻いたトイレットペーパーの芯で作った角がつき、赤い毛糸の髭をぐるりと一周貼り、太い眉毛でいかつい顔が書いてある紙袋、いや、鬼のお面を被った「誰か」がいました!
裸に見えるベージュのニットと、アニマル柄のスカーフを腰に巻き、お腹にも何かを詰めているのか、でっぷりとした体型の鬼は、誰なのか分からないくらいのクオリティ。写真を見た誰もが「この人誰?」と、母というのを最初は認識できませんでした。
思わず母に電話すると
「どうしても鬼のお面を作りたくて、一人で作っていたけど…。楽しくなっちゃって記念撮影したの。サプライズ〜!」とのこと。
確かに、手作りの鬼のお面を被り、一瞬誰だか分からないようなクオリティの変装をするのはとても楽しそうです。工作をするのは乗り気でなかった娘も、この写真の鬼が母だと話すととても驚き、
「楽しそう! こういうものを作ってみた〜い!」と興奮していました。
娘との楽しい時間を作りたくて、工作グッズを持参していた母ですが、自分が楽しんでいる姿を見せることでも楽しい時間を共有できるのが分かったようです。それからは、不器用ながらも、あえて難易度の高い折り方に挑戦して作った折り紙や作品を娘に見せて楽しんでいます。
元々は工作が好きな娘なので、母が作る難易度の高い作品に興味津々。母にまた一緒に工作して欲しいとお願いするようになりました。楽しく手を動かしながらおしゃべりをする、工作時間が復活して嬉しいかぎりです。
(ファンファン福岡公式ライター/tamura)