2人目の出産後、私は実家に里帰りしていました。上の子は3歳の男の子でやんちゃ盛り。赤ちゃん返りなのか、出産後はいつもに増してやんちゃ度が増していました。普段は孫を可愛がる父親も、孫に合わせた慣れない生活が続いていたのでしょう。そんななか起こった事件を今回はお話ししたいと思います。
子育てに自信がなく、里帰り出産
やんちゃ盛りの長男と、新生児をどのように子育てしたらいいいか心配だった私。実家とは自宅から車で約5分と近かったものの、里帰り出産をしました。母は仕事をしており日中は家にはいませんが、父は定年退職して家にいるという状況だったので長男の相手は父に任せることが多くありました。
2人目のお世話にもすぐ慣れたものの、産後は思うように身体が動きません。そんな状態にも関わらず長男は
「一緒に遊んでほしい!」と甘えてくることが多く、私1人で面倒見るのは難しい状態でした。
長男も里帰りで大好きなじーじ、ばーばと一緒に過ごせるということでテンションが高く、赤ちゃん返りのような状態になっていました。ご飯いらないと言っていたのに数分後には何か食べたいとわめく… ちょっとしたことで癇癪を起し、わざと大人を困らせてみたりと、いつにも増して手がやける状態でした。
毎日がそんな状態だったので「里帰り出産出来て助かったな… 1カ月は実家にお世話になろう」と考えていました。
暴言を吐く父
長男は日中は保育園に預けていましたが、父がゆっくり出来る時間は1日6時間程度でした。
時期は春で、花粉症の季節。父は花粉症で毎年、薬が手放せない状態でした。父もやんちゃな長男と、可愛いけど意思疎通が出来ない新生児がいる生活、花粉症のせいもあってかストレスがたまっていたのでしょう。
ある夜、長男を寝かしつけようとしますが、遊びたいと言っておもちゃを持ってきました。私は少し時間がたてば長男も飽きて寝てくれるだろうと思い、特に注意するわけでもなく見守っていました。しかし、父の堪忍袋の緒が切れたようで
「いつまで遊びよるとか! いっちょん言う事聞かん! 犬猫以下やっか!」と怒鳴りつけてきたのです。
「その言い方はあんまりやろ!」との私の言葉に
「お前の躾の悪かけんやっか!」と更にヒートアップする父。
これ以上ここにいたら子どもにも良くないと思い、夫に迎えにきてくれるよう電話しました。夫は急な連絡に驚いていましたが、
「とにかく今すぐ家に帰りたいから!」と伝え電話を切り、すぐに荷物をまとめました。
母は
「本当に家に帰って大丈夫と? お父さんもちょっとストレスになっとらすだけやけん…」と心配そうな表情でした。ですが私も頭に血がのぼっていたので
「ここにおったら長男に良か影響はなか! お父さんにあがん言われとって一緒におりとうなかよ!」と吐き捨てました。
産後の体だけど、私が無理をしてでも、子どもは私1人で育てる! 父に子育てにこれ以上関与してほしくないとの気持ちでいっぱいで、その日は夫と一緒に自宅へと戻りました。
その後の父の行動
次の日の早朝、母から「お父さんが迎えにきます。準備しておいてください」とメールが届きました。私は「実家には戻りません」と返信しましたが「お父さんも反省しているようです。あなたの体が一番大切なので実家で療養して下さい」とのこと。
迎えに来た父は昨夜とは別人のように落ち着いており、とても穏やかな口調で
「おはよう。朝ごはんは食べたね?」と長男に話しかけていました。その姿を見て、本当に反省しているんだなと、思い実家へ戻ることにしました。
その後、息子に対する注意の仕方も、頭ごなしにただ怒るだけではなく、息子がなぜそのような行動をとっているのかをきちんと観察して注意してくれているようで、父なりに考えてくれたようです。
まさか、この年齢でしかも産後の一番大切な時期に家出をするとは思いもしませんでした。父とこのようなことがあったけど、父も”おじいちゃん”歴が長いわけではないので、家族3世代で一緒に成長していかなくてはいけないなと感じました。
今こうやって私が不調なく元気に過ごせているのも、あの時寄り添ってくれた父と母のおかげだなと思います。
(ファンファン福岡公式ライター/S.happylife)