息子が小学1年生の春のことです。まだ通学に慣れていないので、下校時に保護者が途中まで迎えに行くというルールがありました。その期間に、なんとママ友の子どもがいなくなってしまった事件がありました。他の子に聞くと「車に乗って帰った」と言うのですが… いったい誰がそんなことをしたのでしょうか。
ドキドキの小学一年生
新一年生といえば、子どもたちも緊張していますが、親もドキドキです。
息子の通う小学校はマンモス校で児童が多く、しばらくは1年生がグループで一緒に下校するという決まりがありました。とはいえ、先月までは送迎してもらっていた子ども達が、一人で登下校をする。親にとっても緊張感があります。
ゴールデンウィークが終わるまでは、下校時に保護者が途中まで迎えに行くように学校から言われていました。ママ達も、待つ間に学校の持ち物や不安な事を相談しあったりと、貴重な時間になっていました。
入学して半月が過ぎたころ。いつもの様に、通学路の途中で子どもたちの帰りを待っていました。遠くから楽しそうに手を振る子どもたち。でも、この日はいつもと様子が違います。
「あれ? うちの子がいない」いつも一緒に帰ってくるはずのママ友Bさんの息子くんがいません。青ざめるママ友。子どもたちに聞くと
「さっき車にのってかえったよ!」と言うのです。そんな予定はないと半泣きのママ友。とりあえず通学路を逆走して学校まで見てくると言います。
私はひとまず、Bさんの家の前で待つことにしました。その道中も、息子に
「誰が車に乗せて行ったの?」と聞いても
「ふとった女の人」と言うだけで他の情報がありません…。
子どもを車に乗せたのは?
Bさんの家の前に行くと、いなくなったはずの息子くんがいるではありませんか! 私はひとまずBさんに電話して報告。電話の向こうで泣いているのが分かりました。
Bさんが来るのを家の前で一緒に待っていると
「ごめんごめん。乗ってくか聞いたら『乗る』って言うからさ!」と言いながら同級生のママMさんが来ました。悪びれる様子もなく笑っています。
Mさんは、幼稚園の頃から異様な行動をとるいわゆる“要注意ママ”。私が
「勝手に車に乗せるなんて考えられません。Bさんすごく心配していましたよ」と言っても、何が悪いのかピンと来ていない様子。
Mさんは以前も、ママ友欲しさに子どもを使い「私が送迎してあげる」と言いながら勝手に幼稚園から連れて帰ったことがあるので、誰もが避けていました。そして今回は、おとなしいBさんがターゲットになったのです。
話が通じない人もいる
その時、Bさんが帰ってきて息子君に怒りました。
「勝手についていっちゃダメだって言っているでしょ? ママ心配したでしょ!」いつも穏やかでおとなしいママ友Bさんが、こんなにも感情的になっていることに、私も泣けてきました。息子君も
「ごめんなさい…」と泣いています。
要注意ママMさんは気まずそうに黙っているので、私が
「何か言うことはないんですか?」と言うと、バツが悪そうに
「何よ。大げさな! 自分の子を迎えに行ったついでに乗せただけじゃない。もうしないわよ。ホント感じ悪い!」と言って去っていきました。
謝らないその態度に腹が立ちましたが、Bさんが
「もういいよ。どうせ言っても分からないから…」と私を止めました。
苦い教訓
元々Mさんは苦手なママでしたが、この日を境に更に苦手になりました。
私もBさんも、子どもに改めて
「勝手に人の車に乗っちゃダメ。どこに連れていかれるか分からないし、怖いことだよ」と言い聞かせました。息子は怯えたような顔で頷いていました。怖かったけど、ある意味いい勉強になったと思える出来事でした。
この件は学校にも伝えたので、エリアメールと通信で「自分の親以外の車に乗らない」と各家庭で言い聞かせるようにと連絡がありました。
冷静に考えたら、Mさんは良かれと思ってとった行動だったのかもしれません。でも相手が喜んでくれるとは限りませんよね。自分の行動についても考えさせられる出来事でした。
(ファンファン福岡公式ライター / まぁこ)