福岡市は22日、IT技術者を育成する交流拠点「エンジニアカフェ」を8月21日に同市・天神の国指定重要文化財、赤煉瓦(れんが)文化館に開設すると発表した。いろんなモノがインターネットにつながるIoTなどの最先端技術が普及する中、全国で技術者不足が課題となっており、養成拠点を設けてIT企業の誘致や雇用促進につなげたい考えだ。
市は約2,400万円かけて館内を改装し、1階と地下1階に相談やイベントのスペース、カフェを設置。システムエンジニアやプログラマーを目指す人を対象とした相談会のほか、著名な技術者を招いた勉強会や、学生と技術者との交流イベントを開く。
運営はIT人材の育成に取り組む同市のNPO法人AIP(アイプ)などのグループに委託。初年度の運営費は約3,500万円を見込む。記者会見した高島宗一郎市長は「国内外からエンジニアが集まり、スタートアップ(創業)と相乗効果を生む場所にしたい」と話した。
赤煉瓦文化館は地上2階、地下1階建てのれんが造りで、1909年に日本生命保険の社屋として完成。日本近代建築の父と呼ばれる建築家辰野金吾の設計で、69年には明治期を代表する洋風建築として重文に指定された。改装後もこれまで通り館内を無料で見学でき、2階の会議室は有料で利用できる。