娘が幼稚園年少の夏休みに、休みの思い出をつづる宿題を持ち帰りました。1人で仕上げ、達成感を得た様子の娘。しかし、他の子の作品を見ると明らかに親が手を加えたものだったのです。「もしかして親への宿題だったの?」。それを見て、私が感じたことをつづります。
初めての宿題「なつやすみワーク」
娘が幼稚園の年少で初めての夏休みに「なつやすみワーク」という冊子を持ち帰りました。
「先生がね、『夏休みが終わったら幼稚園に持ってきて』って言ってた。毎日シールを貼るんだよ」と、うれしそうにする娘。中を見ると夏休み中に毎日、天気、排便の有無、お手伝いをしたかどうかを記入する欄があり、シールが付いていました。
「お~! 年少でも早速宿題っぽいことやるんだな」と感心。さらに、ページをめくっていくと「夏休みの思い出のページを作ろう!」という空白のページがあったのです。
1人で取り組んで達成感を得た娘 さて、夏休みが終わる1週間前となり、娘となつやすみワークの「夏休みの思い出のページを作ろう!」のページに取り組むことに。といっても私は夏休み中に行った水族館や映画館、テーマパークのチケットの半券を用意したのみです。
それを娘がセロハンテープでペタペタと貼っていきます。このときまだ娘は字が書けなかったので、たくさんの絵を描いて夏休みの思い出を表現していました。
色つけや配置などにかなりこだわり、費やした時間は3時間ほど。娘も仕上がりに満足したようで満面の笑みを見せ、
「先生に見てもらう!」とうれしそうに幼稚園のかばんに入れていました。初めての宿題で達成感を得ることができたようで、親としてもうれしかったのです。
ところが、始業式の2週間後に行われた参観日で、驚きの光景が目に入ったのです。教室に入り、後ろの壁面を見ると、なつやすみワークの「夏休みの思い出のページを作ろう!」のページが切り取って飾られていました。
見ると、他の子とわが子の内容の差にビックリ! 他の子の作品は、写真を切り取って貼っていたり、絵日記風に親が文字を加えていたり、中には「絶対年少の子はできないよね?」というような、難易度の高い折り紙を貼ったものや、マスキングテープで細かく文字を作ったものなど、かなりデコレーションされていました。
これらは「子どもは何をしたの? もうほとんど親の作品では?」という出来です。わが家のように子どもだけで仕上げた作品はパッと見ただけでも半分ほど!
「え? 親がするようにって説明あったっけ?」と一瞬混乱してしまいました。
そうか、私ももっと手伝ってあげないといけなかったんだな… と少し反省していましたが、冷静になって考えてみると「もし、私があそこで手を出して一緒に取り組み、ほぼ私が作ったような作品が仕上がったら、あのときのように娘は達成感を得ることはできたかな? 全て自分でやりきったからこそ、あの満面の笑みを見せてくれたのではないかな?」と感じたのです。
本当の親の宿題とは… 家に帰宅して娘に
「みんなのなつやすみワークすごかったね」と声をかけると、
「うん。でも私のもすごいでしょ? 先生が『頑張って描いたね』って言ってくれたよ」と、うれしそうに言っていました。
正直、出来栄えとしては親が手を加えた方が格段に良くなると思います。親子の共同作品というのもすてきです。しかし、今回私が学んだのは「娘が取り組みを通して達成感を得ることができるように見守ることが親の宿題」ということ。
家庭にはそれぞれ異なる考えや教育方針があるため、どれが正解とは言えませんが、私は達成感を得た娘の表情を見ることができたことが何よりもうれしく、成長を感じました。ただ1点、娘から
「年中になったらみんなみたいに写真も貼りたい」という注文はありましたが(笑)。
これからも、陰でサポートはしつつ、娘が満足できる作品を作り上げることができるように見守っていきたいと思います。
(ファンファン福岡一般ライター)